つい先日、メモリーメーカーであるKingstonことKingston Technologyが新モデルとなるSSD「HyperX Savage SSD」を発表した。
これまで『Intel XMP対応でHaswell-Eをきっちりぶん回せるKingstonのDDR4メモリー「HyperX FURY DDR4」』や『読み書き速くて特大容量! Kingstonの「クラス10 UHS-I SDHC/SDXC SDA10/256GB」を試す』といった記事で紹介してきたように、同社はメモリーメーカーだけあってメモリーに関連するデバイス類を多く取り揃える。
そして、それぞれ用途ごとにラインアップが分かれている。中でも「HyperX」シリーズという名前は、性能を重視するハイエンドユーザー向けのブランドに位置づけられている。
たとえばHyperXシリーズのSSDは、「HyperX FURY SSD」、「HyperX 3K SSD」、「HyperX Savage SSD」、「HyperX Predator PCIe SSD」といった具合だ。FURYより3K、3KよりSavage、SavageよりPredatorといった形で差が設定されている。当然、PCI Express接続であるHyperX Predator PCIe SSDが最高性能となる。ただし、この製品は、サーバーなどの特殊用途向けであり、一般ユーザー向けの最高峰モデルに位置するのがHyperX Savage SSDとなる。
今回発表されたHyperX Savage SSDは、最小容量が120GB、それから240GB、480GB、960GBと倍倍で増えて行く。ほぼ1TBが最大だと理解しておくといいだろう。
今回、おそらく最も大きなボリュームで出荷されると予想される240GBモデル「SHSS37A/240G」(ノートパソコンとデスクトップパソコン専用インストールキット付)を入手することができたので、紹介していきたいと思う。
“Kingstonらしさ”の1つでもある高速さを醸し出すスタイリッシュなデザイン。
■コントローラーは4コア8chのPhison PS3110-S10を搭載
HyperX Savage SSD(以下、HyperX Savage)は、コントローラーに「Phison PS3110-S10」を搭載している。いわゆる最近の高速SSDとされる製品に多く採用されているコントローラーチップだ。このチップは4コアで8チャンネルアクセスに対応、パソコン本体のCPUに負荷をかけずに高速な読み書き性能を実現している。内蔵メモリーは東芝製だ。
カタログスペックでの読み書き速度(非圧縮)は、シーケンシャルリードで最大520MB/秒、書き込みが最大510MB/秒だ。容量ごとに書き込み速度が異なっており、非圧縮では350MB/秒(120GB)、510MB/秒(240GB)、500MB/秒(480GB)、490MB/秒(960GB)となっている。
データー圧縮が有効な処理にするとシーケンシャルリードで最大560MB/秒、書き込みが最大530MB/秒(120GBモデルのみ、360MB/秒)となる。ということで、実際にそんな速度が発揮できるのかチェックした。
■まさに至れり尽くせりのインストールキット付モデル
先述したように今回、入手できたのは、ドライブ単体ではなく、ノートパソコンとデスクトップパソコン専用インストールキット付きの240GBモデルである「SHSS37A/240G」だ。
ノートパソコンとデスクトップパソコン専用インストールキット付
キットの内容だが以下のようになっている。
■アップグレードバンドルキット
2.5インチHyperX Savage SSD本体
2.5インチUSB 3.0外付けケース
3.5インチブラケットおよびマウント用ネジ
SATAデータケーブル
ハードドライブクローニングソフトウェア-ダウンロードクーポン5
マルチビッドドライバー
7ミリ→9.5ミリアダプター
特にマルチビットドライバーは、ドライバー中央部のHyperXロゴが目を引く。またプラスとマイナスのビットが付属していて、SSDをPCに内蔵する際に自前で工具を用意しないでも装着できるようになっている。デザインはちょっと太めのボールペンといった感じだ。もちろんプラスやマイナスのネジ穴が合えば別の用途にも利用できるだろう。
中央のHyperXロゴが光るマルチビットドライバー。
HyperX Savage付属するUSB3.0対応の外付けケースも非常に良い。ケースのカバー部分にロックがかけられるようになっており、まずカバーをはずし、HyperX Savageを装着したら、カバーを閉じで再度ロックをかけるだけでいい。
キットに付属するUSB3.0対応の外付け用ケース
ケースを開けたらHyperX Savageを装着する。
装着できたら、カバーを元に戻す。
外れているロックを左側にスライドさせてロックをかける。
USB3.0対応のケーブルだけが利用できるようなコネクターになっている。
USB3.0専用のケーブルが必要になる。
以上のように本体デザインや付属キットの内容について紹介した。次はいよいよ、その性能に迫ってみよう。
■Intel X 99システムを使いベンチマーク
今回検証に使ったのはHaswell-Eに対応するIntel X99 Expressチップセットのシステム(以下、Intel X99システム)となる。CPUソケットはLGA 2011-v3であり、Haswell-EのIntel Core i7-5820Kを搭載している。なお、HyperX Savageは、最初はSATA(6Gbps)ポートに接続して計測、次に外付け用のUSB3.0対応ケースに装着し、USB3.0接続で計測している。利用したベンチマークソフトはCrystalDiskMark 3.0.4だ。最小ファイルサイズの50MBから100MB、500MB、1000MB、2000MB、4000MBの全部で6通りだ。
■公称値を超える速度、USB3.0の外付けストレージとしても魅力
ベンチマークの結果はスコアを見てもらえばわかるが、SSDが得意とする連続(シーケンシャル)読み書きでは、読み込みが最大で550MB/秒となっており、公称値の520MB/秒を凌駕する速度が出ている。そして書き込み速度は、最大で530MB/秒となっており、こちらも公称値である510MB/秒を余裕で超えている。
なおUSB3.0の外付けケースとして利用した場合、Windows 8.1 Pro(64ビット)からは、取り外し可能なリムーバブルメディアとして認識される。こちらもCrystalDiskMark 3.0.4を使い、最小ファイルサイズの50MBから100MB、500MB、1000MB、2000MB、4000MBの6通りでベンチマークを計測した。
結果は、読み取り速度が最大310.6MB/秒、書き込み速度が最大383.8MB/秒となった。USB3.0の転送速度の最大は5Gbpsだ。そのためSATA6.0Gbps接続とそん色のない速度が出そうに思えるが、注意してほしいのは、リムーバブルメディアとして認識されているという点だ。
固定ストレージとしてOS側に認識されているとき、実際にはストレージに記録せずにキャッシュ内に保存しておき、アイドル状態になってからストレージに書き込むといったような処理がされることがある。たとえば、その書き込みが行われる前にUSBケーブルを外してしまうようなことがあると、キャッシュ上のデーターは、その時点で消滅してしまう可能性があるのだ。
そのためリムーバブルメディアとして認識されている場合は、データコピーや書き込みは、その操作を行った時点で実際の書き込みも処理される。結果、キャッシュが効かないために速度がガクンと落ちてしまうのだ。データー消失の危険を減らすために仕方ない方法と言える。ただし、同様の外部ストレージとして見た場合、HyperX Savageは、非常に高性能な外部ストレージであると言えるのだ。
たとえばUSB3.0対応のUSBメモリーや高速転送を謳うSDXCカードで90MB/秒~110MB/秒の速度だ。対してHyperX Savage SSDは、読み取りが最大310.6MB/秒、書き込みが最大383.8MB/秒と外付けのストレージとしては、USBメモリーやSDHC/XCメモリーカードを大きく凌駕する。持ち歩ける大容量ストレージとしては十分すぎる性能を持っていると言っていいだろう。
以上のようにHyperX Savageを紹介した。文句のないアクセス速度、そしてイザと言うときに外部ストレージもできる専用キットと、性能と使い勝手を両立している製品であることがわかってもらえたことと思う。もちろんひたすら性能重視という人にはドライブ単体モデルも用意されているので、そちらを検討するといいだろう。
■HyperX Savage SSD
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そして、それぞれ用途ごとにラインアップが分かれている。中でも「HyperX」シリーズという名前は、性能を重視するハイエンドユーザー向けのブランドに位置づけられている。
たとえばHyperXシリーズのSSDは、「HyperX FURY SSD」、「HyperX 3K SSD」、「HyperX Savage SSD」、「HyperX Predator PCIe SSD」といった具合だ。FURYより3K、3KよりSavage、SavageよりPredatorといった形で差が設定されている。当然、PCI Express接続であるHyperX Predator PCIe SSDが最高性能となる。ただし、この製品は、サーバーなどの特殊用途向けであり、一般ユーザー向けの最高峰モデルに位置するのがHyperX Savage SSDとなる。
今回発表されたHyperX Savage SSDは、最小容量が120GB、それから240GB、480GB、960GBと倍倍で増えて行く。ほぼ1TBが最大だと理解しておくといいだろう。
今回、おそらく最も大きなボリュームで出荷されると予想される240GBモデル「SHSS37A/240G」(ノートパソコンとデスクトップパソコン専用インストールキット付)を入手することができたので、紹介していきたいと思う。
“Kingstonらしさ”の1つでもある高速さを醸し出すスタイリッシュなデザイン。
■コントローラーは4コア8chのPhison PS3110-S10を搭載
HyperX Savage SSD(以下、HyperX Savage)は、コントローラーに「Phison PS3110-S10」を搭載している。いわゆる最近の高速SSDとされる製品に多く採用されているコントローラーチップだ。このチップは4コアで8チャンネルアクセスに対応、パソコン本体のCPUに負荷をかけずに高速な読み書き性能を実現している。内蔵メモリーは東芝製だ。
カタログスペックでの読み書き速度(非圧縮)は、シーケンシャルリードで最大520MB/秒、書き込みが最大510MB/秒だ。容量ごとに書き込み速度が異なっており、非圧縮では350MB/秒(120GB)、510MB/秒(240GB)、500MB/秒(480GB)、490MB/秒(960GB)となっている。
データー圧縮が有効な処理にするとシーケンシャルリードで最大560MB/秒、書き込みが最大530MB/秒(120GBモデルのみ、360MB/秒)となる。ということで、実際にそんな速度が発揮できるのかチェックした。
■まさに至れり尽くせりのインストールキット付モデル
先述したように今回、入手できたのは、ドライブ単体ではなく、ノートパソコンとデスクトップパソコン専用インストールキット付きの240GBモデルである「SHSS37A/240G」だ。
ノートパソコンとデスクトップパソコン専用インストールキット付
キットの内容だが以下のようになっている。
■アップグレードバンドルキット
2.5インチHyperX Savage SSD本体
2.5インチUSB 3.0外付けケース
3.5インチブラケットおよびマウント用ネジ
SATAデータケーブル
ハードドライブクローニングソフトウェア-ダウンロードクーポン5
マルチビッドドライバー
7ミリ→9.5ミリアダプター
特にマルチビットドライバーは、ドライバー中央部のHyperXロゴが目を引く。またプラスとマイナスのビットが付属していて、SSDをPCに内蔵する際に自前で工具を用意しないでも装着できるようになっている。デザインはちょっと太めのボールペンといった感じだ。もちろんプラスやマイナスのネジ穴が合えば別の用途にも利用できるだろう。
中央のHyperXロゴが光るマルチビットドライバー。
HyperX Savage付属するUSB3.0対応の外付けケースも非常に良い。ケースのカバー部分にロックがかけられるようになっており、まずカバーをはずし、HyperX Savageを装着したら、カバーを閉じで再度ロックをかけるだけでいい。
キットに付属するUSB3.0対応の外付け用ケース
ケースを開けたらHyperX Savageを装着する。
装着できたら、カバーを元に戻す。
外れているロックを左側にスライドさせてロックをかける。
USB3.0対応のケーブルだけが利用できるようなコネクターになっている。
USB3.0専用のケーブルが必要になる。
以上のように本体デザインや付属キットの内容について紹介した。次はいよいよ、その性能に迫ってみよう。
■Intel X 99システムを使いベンチマーク
今回検証に使ったのはHaswell-Eに対応するIntel X99 Expressチップセットのシステム(以下、Intel X99システム)となる。CPUソケットはLGA 2011-v3であり、Haswell-EのIntel Core i7-5820Kを搭載している。なお、HyperX Savageは、最初はSATA(6Gbps)ポートに接続して計測、次に外付け用のUSB3.0対応ケースに装着し、USB3.0接続で計測している。利用したベンチマークソフトはCrystalDiskMark 3.0.4だ。最小ファイルサイズの50MBから100MB、500MB、1000MB、2000MB、4000MBの全部で6通りだ。
■公称値を超える速度、USB3.0の外付けストレージとしても魅力
ベンチマークの結果はスコアを見てもらえばわかるが、SSDが得意とする連続(シーケンシャル)読み書きでは、読み込みが最大で550MB/秒となっており、公称値の520MB/秒を凌駕する速度が出ている。そして書き込み速度は、最大で530MB/秒となっており、こちらも公称値である510MB/秒を余裕で超えている。
なおUSB3.0の外付けケースとして利用した場合、Windows 8.1 Pro(64ビット)からは、取り外し可能なリムーバブルメディアとして認識される。こちらもCrystalDiskMark 3.0.4を使い、最小ファイルサイズの50MBから100MB、500MB、1000MB、2000MB、4000MBの6通りでベンチマークを計測した。
結果は、読み取り速度が最大310.6MB/秒、書き込み速度が最大383.8MB/秒となった。USB3.0の転送速度の最大は5Gbpsだ。そのためSATA6.0Gbps接続とそん色のない速度が出そうに思えるが、注意してほしいのは、リムーバブルメディアとして認識されているという点だ。
固定ストレージとしてOS側に認識されているとき、実際にはストレージに記録せずにキャッシュ内に保存しておき、アイドル状態になってからストレージに書き込むといったような処理がされることがある。たとえば、その書き込みが行われる前にUSBケーブルを外してしまうようなことがあると、キャッシュ上のデーターは、その時点で消滅してしまう可能性があるのだ。
そのためリムーバブルメディアとして認識されている場合は、データコピーや書き込みは、その操作を行った時点で実際の書き込みも処理される。結果、キャッシュが効かないために速度がガクンと落ちてしまうのだ。データー消失の危険を減らすために仕方ない方法と言える。ただし、同様の外部ストレージとして見た場合、HyperX Savageは、非常に高性能な外部ストレージであると言えるのだ。
たとえばUSB3.0対応のUSBメモリーや高速転送を謳うSDXCカードで90MB/秒~110MB/秒の速度だ。対してHyperX Savage SSDは、読み取りが最大310.6MB/秒、書き込みが最大383.8MB/秒と外付けのストレージとしては、USBメモリーやSDHC/XCメモリーカードを大きく凌駕する。持ち歩ける大容量ストレージとしては十分すぎる性能を持っていると言っていいだろう。
以上のようにHyperX Savageを紹介した。文句のないアクセス速度、そしてイザと言うときに外部ストレージもできる専用キットと、性能と使い勝手を両立している製品であることがわかってもらえたことと思う。もちろんひたすら性能重視という人にはドライブ単体モデルも用意されているので、そちらを検討するといいだろう。
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キングストンテクノロジー
2014-09-03