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2019年3月18日、楽天とアルペンは、楽天グループの各種サービスで連携を強化し、ネットとリアルを連動させたサービスの拡大を目指すことを発表した。その第1弾として、2019年4月1日より、アルペングループが運営する全401店舗で、楽天の共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」を利用できるようにするほか、同日より楽天カードとアルペンの提携カード「アルペングループ 楽天カード」の申し込み受付・発行を開始する。

この提携にあたって、楽天とアルペンによる共同記者説明会が開催されたので、その様子をレポートする。

■リアルとデジタルをシームレスにつなぐ提携
まず、アルペン代表取締役社長水野敦之氏が挨拶に立ち、「デジタル技術の進展とともに、近年お客様の消費行動が多様化し、リアル店舗の強みを磨いてきた当社も、ビジネスモデルの変革が必要不可欠であり、お客様の購買行動を分析しながら、リアルとデジタルをシームレスに繋ぐことが重要だと考えている」と語った。


アルペン 代表取締役社長 水野敦之氏


そうした課題を解消するために、デジタルに知見と基盤を持つパートナーとの提携が必要と判断したとのこと。「当社のパートナーとなる楽天は、デジタル業界において世界と戦っていくことができる日本で唯一無二のリーディングカンパニーであり、日本で最もよく使われているポイントプログラムである楽天スーパーポイントや、最も満足度が高い楽天カードなど、数多くのサービスを提供している」と水野氏。

このほかスポーツ業界においても、楽天は欠かすことのできない存在だ。楽天イーグルスやヴィッセル神戸といったプロチームの支援だけでなく、16年ぶりとなるNBAジャパンゲームズの開催など、日本のスポーツシーンをリードし続けている一面もある。

水野氏はまた「スポーツをもっと身近にという、楽天のスポーツに対する姿勢にも強く共感している。今回の目玉であるアルペングループ楽天カードは、初年度30万人を目標として、会員獲得を積極的に行う」と語った。

続いて、楽天代表取締役会長会長兼社長 三木谷浩史氏が挨拶。「アルペンは2004年に楽天市場に出店していただいたほか、プロチームへの支援もいただき、ずっとお世話になってきた。おかげさまで、楽天ポイント、楽天カードともに非常に順調に推移している」と三木谷氏。


楽天 代表取締役会長兼社長 三木谷浩史氏


そして「O2Oという言葉があるが、これからはリアルとオンラインショッピング、あるいはオンラインマーケティング、これらが密接に結び付いていく時代に突入していくと考えている。スポーツ用品最大手で、さまざまな新しい取り組みをされていらっしゃる、アルペンさんと楽天グループが組めることは、今後新しい展開ができると思っている」と語った。

■アルペングループの強みを楽天との提携でさらに活かす
続いて、アルペン 常務執行役員戦略企画本部長二十軒翔氏がアルペングループの事業概要と、楽天との提携についてプレゼンテーションを行った。


アルペン 常務執行役員 戦略企画本部長 二十軒翔氏

アルペングループは、現時点でSPORTS AlpenやSPORTS DEPO、mift、GOLF5など、全国401店舗を運営している。リアル店舗もさまざまな新たな取り組みを行っているほか、ECも強化しており、自社ECショップやEC専用倉庫を運用している。

楽天市場上でもオンラインショップを展開しており、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2018で、総合7位、ジャンル賞、ラ・クーポン賞を受賞している。「これまではリアルはリアル、デジタルはデジタルという展開だったが、今後は、リアルとデジタルのシームレスな連携が重要であると考えている」と二十軒氏。


アルペンは自社ECショップやEC専用倉庫を運用しているほか、楽天市場上でもオンラインショップを展開しており、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2018で、総合7位、ジャンル賞、ラ・クーポン賞を受賞している


今までのアルペンのポイントプログラムは、店舗別に分断されていたり、リアルとオンラインで共通では使えないという問題があったが、4月1日から、アルペングループは楽天と提携した新ポイントプログラムをスタートする。

そのプログラムの特長は、「アルペンと楽天のポイントがダブルで貯まる」「オンラインストアでも店舗でも使える」「楽天スーパーポイントを使える」の3つで、2つのポイントをあわせて最大6.5%という高い還元率を実現する。

同時に、新しい会員プログラムであるアルペングループメンバーズを開始するほか、スマホ用のアルペングループ公式アプリもバージョンアップする。「デジタル領域で圧倒的な強みを持つ楽天との包括的パートナーシップにより、アルペンの『スポーツをもっと身近に』というテーマをより浸透できる」(二十軒氏)。


新たにスタートする「新ポイントプログラム」


アルペングループ楽天カードは、1枚で楽天会員とアルペングループメンバーズ会員の両方を兼ねるカードで、ダブルでポイントが付与されることが特長。今後の楽天との提携強化の可能性として、リアル店舗とデジタルをつなぐ施策における連携や、楽天の持つスポーツ、ゴルフなどに関連するサービスとの連携、アルペンのメーカー機能を活用したオリジナル商品の展開における連携などが考えられる。二十軒氏は「日本のスポーツ業界の発展のために、ともい力をあわせていきたい」と抱負を述べた。


アルペングループ楽天カードは、1枚で楽天会員とアルペングループメンバーズ会員の両方を兼ねるカードで、ダブルでポイントが付与されることが特長


■楽天ポイントは昨年約2500億ポイントを発行
最後に、楽天 執行役員 ポイントパートナー事業部 ジェネラルマネージャー 笠原和彦氏が、楽天とアルペングループの取り組みについてプレゼンテーションを行った。


楽天 執行役員 ポイントパートナー事業部 ジェネラルマネージャー 笠原和彦氏


楽天グループではさまざまな事業を行っているが、それに共通しているのが、楽天というブランドと、日本で1億人、世界で10億人規模のメンバーシップとデータベースであり、その中核にあるのが顧客IDの統一とすべての事業でポイントを活用していることだという。

楽天スーパーポイントは第三者機関の調査で、総合満足度、もらってうれしいポイント、昨年もっともたまったポイントの3項目でここ数年No.1を獲得しているとのこと。楽天スーパーポイントの発行数は、昨年の1年間で約2500億ポイント、累計では約1.2兆ポイントにもなっている。

「楽天スーパーポイントの大きな特長は、オンラインとオフラインの相互で利用できることで、ネットから誕生したポイントとしては業界初となる」と語る笠原氏。楽天ポイントカードは、「楽天ポイント」がオフラインの店舗で「使える・貯まる」、共通ポイントサービスであり、今回新たにアルペングループで楽天ポイントカードが使えるようになった。楽天ポイントカードの利用ユーザー数は、2014年のサービス開始以降、順調に増加しているそうだ。

また4月1日からは、「アルペングループ 楽天カード」を発行開始。楽天カードと小売業界の提携は初となる。このカードは買い物をすることで、楽天スーパーポイントとアルペンポイントの両方が貯まることが特長で、小売業界との提携カードの発行はこれが初だそう。同じく4月1日から、楽天スーパーポイントのみが貯まる「アルペングループ 楽天ポイントカード」の発行も開始し、抽選で支払い時に使ったポイントが最大全額返ってくるポイントバックキャンペーンを実施する。


4月1日から、「アルペングループ 楽天カード」を発行開始。楽天カードと小売業界の提携は初となる。買い物をすることで、楽天スーパーポイントとアルペンポイントの両方が貯まることが特長。入会キャンペーンとして最大2500ポイントがプレゼントされる



同じく4月1日から、「アルペングループ 楽天ポイントカード」の発行も開始。こちらは楽天スーパーポイントのみが貯まるカードだ。抽選で支払い時に使ったポイントが最大全額返ってくるポイントバックキャンペーンを実施する


また、楽天市場とのO2O企画として、5月6日~6月2日の間、アルペン楽天市場店でエントリーを行い、アルペングループの実店舗で楽天ポイントカードを提示して、5000円以上の買い物をすると、楽天ポイントが500ポイントもらえる企画が実施される。

リアルな店舗とネット店舗の融合となる今回の取り組みだが、肝心なのはユーザーにとってのメリットがあるかないか、だろう。この連携によりさまざまなサービスが向上してくれることに期待したい。


楽天市場とのO2O企画として、ネットとリアルを連動させた施策を実施する



5月6日~6月2日の間、アルペン楽天市場店でエントリーを行い、アルペングループの実店舗で楽天ポイントカードを提示して、5000円以上の買い物をすると、楽天ポイントが500ポイントもらえるO2O企画が実施される



楽天GORAとの取り組みでは、アルペングループのゴルフ場全てに手書きサインが不要でポイントが貯まる「楽天チェックイン」を導入する予定だ


石井英男 @hideo_ishii

アルペン楽天市場店

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