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外国人材から選ばれる国になるためには?キャムコムグループの取組みを聞く

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少子高齢化社会を迎えた日本では、労働力不足が懸念されている。労働力は経済活動に直接影響を及ぼすだけに、深刻な問題だ。政府は外国人の雇用を推進しているが、言語の壁や文化の違いに加え、職業の適正などの問題があるため、外国人を雇用したくても雇用できない企業も多いだろう。また、賃金を考えると、日本の賃金は海外の国よりも安価である傾向にある。

労働力不足の企業では今後、どのように外国人材を採用していけばよいのだろうか。逆に、外国人材から選ばれる企業になるためには、企業は何をすればよいのだろうか。人材ビジネスの分野で即戦力となる人材採用をサポートするキャムコムグループの株式会社キャムコム 代表取締役 宮林利彦氏とJOE協同組合 代表理事 北沢智子氏にお話しをうかがった。

■外国人から選ばれる企業であることが一番重要
キャムコムグループは「働く」に関する社会課題をビジネスで解決する会社として、HRテックをはじめ、人材紹介・製造派遣・外国人雇用支援・事務アウトソーシングなど多様なサービスを展開している。

インタビューに応じていただいた株式会社キャムコム 代表取締役 宮林利彦氏は横浜国立大学工学部機械工学科卒業後、警戒レーダーや電波監視システムのプロジェクトマネジメントを経て2006年株式会社綜合キャリアグループ(現キャムコムグループ)に入社。人材業界では異色の80名近くのシステムエンジニア部門を育て上げ、CTOを経て2016年グループの事業統括に就任。複数のグループ会社の経営を経験した後に、2022年株式会社キャムコムの代表取締役に就任。人材派遣事業のリソースを生かしたグローバル事業、IT関連事業の開発に積極的な投資を行い、キャムコムグループの第二創業期をけん引している。
※著書『外国人材を競争力に変える法 日本企業が外国人から「選ばれる力」を持つために』より

JOE協同組合 代表理事 北沢智子氏は、1996年キャムコムグループに入社。国内人材派遣事業に20年以上従事し、製造メーカーを中心とした国内採用部門に従事し、その後外国人領域へ異動。2021年外国人技能実習生の受け入れやサポートを行う監理団体のJOE協同組合の代表理事に就任する。

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左が株式会社キャムコム 代表取締役 宮林利彦氏、右がJOE協同組合 代表理事 北沢智子氏


2025年問題は、日本が直面する少子高齢化に伴う一連の社会的・経済的課題を指す。具体的には、2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり、人口全体の18%を占めると予想されている※1。医療や介護の需要が急増し、社会保障制度や労働力の確保に深刻な影響を及ぼすことが懸念されている。労働力不足に向けて企業は働き方改革や人事制度の見直し、業務の効率化を図っている。具体的には、主婦やシニア世代の雇用を推進しているが、日本人の人口が減少し続けている。

内閣府によれば、労働力人口は2014年6,587万人から2030年5,683万人、2060年には3,795万人へと加速度的に減少していく傾向にある。そこで注目されているのが、外国人材だ。
とはいえ、世界的に見ても少子高齢化に伴う労働力不足は大きな社会課題となっている※3。引く手あまたの外国人材から選ばれる国になるためには、どうすればよいのだろうか。

宮林氏によれば、国の制度としては、業界ごとに決まりがあるため、その中で海外人材を活用する。技人国といわれる技術・人文知識・国際業務や特定技能について、どのような在留資格が必要か、就労できる職種は何かを、企業として把握しておく必要がある。
また、「日本の企業で技能を学び、自国に技能を持ち帰る」というのが大前提である外国人技能実習制度や、それに代わる制度として今年6月に可決された育成就労についても正しく理解して運用することが大切だ。

外国人材から選ばれる国になるためには、どうすればよいのだろうか。

「技能実習生として働いている人、あるいは海外にいて日本で働きたい人に選ばれる制度であったり、選ばれる企業であることが一番重要だと考えています。そのために我々は採用支援をしたり、働いている人をサポートする事業をしております。」(宮林氏)

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外国人技能実習制度について語る、宮林氏


キャムコムグループでは、外国人向けの技人国・特定技能・技能実習への主なサポートとして、次の3つのサービスを提供している。

1. 技人国・特定技能外国人向け 求⼈求職ナビサイト「みんなのトクギ」(通称:mintoku)
外国人向けの求⼈案件掲載サイト。ベトナム語やインドネシア語など多⾔語に対応しているほか、気になった企業で⺟国の実習⽣が働いているかや働いてみた感想など、海外の⽅が職場を選ぶ際に必要な情報を提供し、仕事探しをサポートする。
https://minnano-tokugi.com/

mintoku
求⼈求職ナビサイト「みんなのトクギ」


2. 動画研修オンラインサービス「edupoke®」
キャムコムグループが開発した学習管理機能が付いた動画による社員教育のオンラインサービス。日本での就業前から日本語学習ができるほか、技術検定の過去問題や試験対策が搭載されていることから、就業後も技能実習生が特定技能へ移行するために必要な学習を行うことができる。また、「報連相」「5S」「チームワーク」といった日本の組織で働く上で必要とされるスキルを養成する「LQ(Labor Quality)プログラム」というオリジナル研修もあり、就業現場での活躍を促進しています。
https://edu-poke.jp/

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動画研修オンラインサービス「edupoke®」


3. 宿泊型研修施設「キャムテックエデュックアカデミー」
キャムコムグループが運営する、関⻄空港付近の⼤阪府泉南市と、成田空港付近の千葉県匝瑳市の2カ所にある研修施設。主に技能実習生の入国後講習を監理団体や受け入れ企業から請け負っている。技能実習制度で定められた日本語講習・生活講習・法的保護講習のみならず、edupokeによるeラーニングや、地域と連携した警察講習、防災訓練など就業に限らず地域での生活を踏まえたより実践的な講習を行っている。また宿泊設備があることから、共同⽣活を送りながら⽇本での⽣活様式を学習できることに加え、イスラム教の礼拝堂も設けられるなど宗教的配慮も⾏われている。
https://camtech-ea.net/

キャムテックエデュックアカデミー
宿泊型研修施設「キャムテックエデュックアカデミー」


■外国人材だけでなく、雇用企業も支援
外国⼈技能実習⽣の受け⼊れやサポートを⾏う監理団体のJOE協同組合の代表理事である北沢氏に、日本での技能実習生のトラブルや支援についてうかがった。北沢氏によれば、外国人の技能実習生が失踪する背景として、重い費用徴収が疑われているという。母国の送出機関又は仲介者(送出機関以外)に費用を支払っている技能実習生は約85%。支払費用の平均値は、52 万1,065 円であり、ベトナムやカンボジア、インドネシアなどの発展途上国に多い※4。

「現地では、世帯収入が3万円/月ぐらいなので、家族の生活を助けるため、日本に出稼ぎに来る人もいます。20万円ぐらい貯めると、母国では家が建ちます。自分のやりがいやキャリアのためだけに働くのではなく、家族のために働く人が多いです。そういう方たちのためにキャムテック エデュックアカデミーという研修施設で、技術指導や生活サポートなどを提供しています。」(北沢氏)

「1人でも多くの外国人に雇用という門を開くのであれば、特に発展途上国からに本など国外へ出る際の条件等は倫理的なものでなければならないという考えに至りました。そこで、キャムコムグループ代表から支援を受けて立ち上げたのが、JOE協同組合です。」(北沢氏)

2022年10月、インドネシア政府の労働移住省・職業訓練局と、海外実習事業主催協議会AP2LN※5との間で締結された三者間協定によるパイロットプロジェクトが成功を収めた。この功績により、技能実習生の費用負担を最小限に抑える『IJCプログラム』の第1弾および第2弾の受託が決定した。第2弾ではインドネシア政府から360名の実習生を受け入れる計画が進められており、これまで以上の期待が寄せられている。これらの取り組みが評価され、2024年3月18日には、外国人技能実習機構から「一般監理団体(優良監理団体)」として認可を受けた。

厚生労働省は、政府全体で実施する「外国人労働者問題啓発月間」に合わせ、6月を「外国人雇用啓発月間」と定め、適正な外国人雇用の推進に向けた広報・啓発活動を積極的に展開していた。JOEは日本政府の方針に従い、日本で働きたいと希望する外国人に対して、より多くの機会を提供するための取り組みを行っています。特に、発展途上国からの技能実習生が国外で研修を受ける際には、倫理的かつ道徳的な条件が満たされるべきとの一貫した信念に基づき、今後もこのプログラムの推進に力を入れていく方針だ。

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JOE協同組合の取組みについて語る、北沢氏


多くの一般企業では、即戦力となり得る人材を求めている。外国人材を支援する同団体では、どのようなサポートを実施しているのだろうか。


日本では、外国⼈技能実習⽣は制度的にすぐに働くことができない。キャムテック エデュックアカデミーで、約1カ月間、日本語や日本文化、マナーを研修したのち、企業へ配属となる。同アカデミーは現在、成田空港と関西空港の近くに2箇所あり、様々な国の人が同アカデミーの生徒になる。時には、5カ国の生徒が一緒になることもあるが、共通語である日本語でコミュニケーションを図っている。


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キャムテック エデュックアカデミー(大阪外観)


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キャムテック エデュックアカデミー研修の様⼦


北沢氏によれば、日本に来て理解できることも多いという。
たとえば、時間の概念が違う。日本人は時間をきちんと守るが、外国人の中には時間をざっくりとしか考えない人もいる。待ち合わせ時間も、おおらかに対応するため、時間を守れない。また日本の精巧なものづくりや安全性に対して対応できる人材は少ない。そうした状況を踏まえ、キャムテック エデュックアカデミーでの研修がある。

「キャムテック エデュックアカデミーでの約1カ月で、日本語はもちろんですが、バスの乗り方やゴミの出し方、労働者としてのスキルを上げる教育を実施しております。技能実習から育成就労に制度が変わるに当たり、技術を学んでもらう国際貢献から人材育成・人材確保に目的が変わります。日本の給与はオーストラリアや韓国に比べて少ないですが、働くことがメインになったことで、外国人材から選ばれる国となるスタートラインに立ったと、私は考えております。制度の改正は、日本にとって大きなきっかけになると考えております。外国人材だけでなく、雇用企業も支援するというのが、キャムコムグループの特徴だと思っています。」(北沢氏)

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キャムテック エデュックアカデミーについて語る、北沢氏


宮林氏によれば、賃金も選択肢のひとつだが、それ以外の部分も重要とのこと。日本は海外に比べて賃金は安いが、日本文化の魅力や生活面での安心があるため、日本で働きたい外国人は多い。さらに日本企業で働くことで、スキルを身に着につけるだけでなく、その先のキャリアパスにも繋がっていくところに魅力があるという。

外国人材から選ばれる国となるためには、企業が選ばれる存在になることが不可欠だ。外国人材を活用したいと考えている企業は、外国人材の教育だけでなく、雇用企業のブランドを高める支援もしているキャムコムグループに相談してみるとよいだろう。

※1 我が国の人口について - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21481.html
※2 第2章 人口・経済・地域社会の将来像(3)人口急減・超高齢化の問題点 - 内閣府
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_3.html
※3 第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/html/nc143220.html
※4 出⼊国在留管理庁「技能実習⽣の⽀払い費⽤に関する実態調査の結果について」(PDF)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001377366.pdf
※5 Asosiasi Penyelenggara Pemagangan Luar Negeri:2015年に設⽴されたインドネシア労働省公認の技能実習認定送出機関の協会。

JOE協同組合/JOE Cooperative
株式会社キャムテック
キャムコムグループ

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「物流の2024年問題」をテクノロジーの力で解決!キャムコムグループ 神保 光路郎氏に聞く、「BPO‐DX総合サービス」とは

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物流・運送業界では、「物流の2024年問題」が大きな社会課題として浮上している。少子高齢化によるドライバー不足に加え、2024年4月からドライバーの労働時間に上限が課され、物が運べなくなるというものだ。我々の日常生活に密接に関わってくるため、深刻な問題といえる。

こうした状況を解決する手段としてにわかに注目されているのが、キャムコムグループの製造・物流業界向け「BPO-DX総合サービス」だ。今回、キャムコムグループ取締役 綜合キャリアオプション副社長 神保 光路郎氏にお話しをうかがうことができた。

■「物流の2024年問題」をテクノロジーの力で解決
神保氏は、新卒でIT・セキュリティ業界で営業/コンサルを経験したあとキャムコムグループ(元綜合キャリアグループ)に入社、BPOチームに配属された。その後、首都圏を拠点に前職までの経験を活かした「IT×HR」のサービス立ち上げた。2018年には事業部のサービス範囲をBPOからコンサルティングに拡大し、物流、不動産、海外事業など多方面に進出。現在は、綜合キャリアオプション BPO事業部を統括する。

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キャムコムグループ取締役 綜合キャリアオプション副社長 神保 光路郎氏


総合⼈材サービスを提供するキャムコムグループを⺟体としている綜合キャリアオプションBPO事業部は、全国約170拠点による、製造や物流業界への⼈材派遣の実績をベースに、HRテクノロジーを活⽤したサービスを労働⼒とともに提供する、包括的なサポートをおこなっている。

同事業部は、業務の切り出しや複数現場の管理、監視を強みとする。これまでに1,000社弱の企業へ業務改善サービスを提供しており、常に全国250〜300か所の現場を同時履⾏している。多くの企業と取引をおこなう中で細かなニーズを察知し、課題解決のための新たなサービスの提供をおこなっている。

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以前から製造・物流業界は、荷量増加・人手不足・非機械化・非効率・高齢化・労働環境の悪化など、様々な課題を抱えていた。さらにこの4月からは、ドライバーの労働時間の上限規制が開始される「物流の2024年問題」により、さらに深刻な状況となることが予想されている。綜合キャリアオプションでは、こういった問題を解決するため、ヒト×場所×ITをかけ合わせたビジネスを推進している。

「『人を集められます。かつBPOもできます。業務効率化もできます。』ということで、弊社のサービスは非常に好評です。物だけ、サービスだけ、単体でお客様にお渡しするのではなく、それらを使って作業する人材も一緒に提供するので、企業は導入後すぐに活用することができます。」(神保氏)

工場に新しい技術やサービスを導入する場合、一般に数十億円規模の投資が掛かる。企業の下請けになっている企業ではコスト上の問題などから、対応することが難しい。そうした企業に対して『機械化はできなくても、効率化はできる』というのが、同社の考え方だ。効率化したい業務について相談すれば、どのように作業を整理すればよいかなどの「業務の切り出し」を行い、必要なサービスや人材まで提供してくれる。

「100点ではないですが、少ない投資で70点ぐらいのことはできます。コスト的にも導入しやすさがあります。BPO+人、ここにDXを付け加えるかたちで、非常にお客様に喜ばれています。」(神保氏)

同社は製造・物流系業界をサポートしている企業として業界トップクラスのシェアを誇り、製造業は約4500社、物流業は約2500社と取引を行い、過去を含めれば1万社以上の取引実績がある。

日本全国に約170もの拠点を構えているのも、同社の強みといえる。
全国の製造物流企業に、即時に対応することができる。
また新しいシステムを導入する場合、複数の企業やプラットフォームを組み合わせることも多く作業が煩雑になりやすいが、同社は人材・BPO・業務効率化のすべてを1社で完結できる。クライアントにとっては、大きなメリットといえるだろう。

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「物流の2024年問題」について語る、神保氏


■製造・物流業界を対象にDXを提供する「BPO-DX総合サービス」
同社の製造・物流業界の課題解決へ向けた「BPO-DX総合サービス」の具体的なサービスとしては、下記の3つがあげられる。

1. 人×ARG ~ ShareSight(シェアサイト)~
BPO事業で培った業務の切り出しノウハウに、ARグラスという端末を組み合わせて、製造・物流現場の生産性・効率性の更なる向上をサポートするものだ。ARグラス(スマートグラス)と、ARグラスを使用する作業者を提供する。

ARグラスを利用すれば、下記3つの機能を活用することができる。
① 使用者の視界を共有できる
② 使用者の視界に文字、画像、映像を映し出せる
③ 使用者間で音声通話ができる

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具体的には、下記のような利用シーンが想定できる。

〇作業者への遠隔からの指示出し
管理者のPC(タブレット、スマホなども対応)と、ARグラスをかけた作業者の視界を共有することで、管理者は状況を理解しながら具体的な指示を送ることができる。

〇倉庫内での仕分け
作業者の視界に入ったバーコードやQRをAIが識別して、対象のケージの番号や、あらかじめ色分けしたケージの色を表示させることで、集中力が落ちた時や経験の浅い作業者でもミスなく作業できるようになる。仕分けは単純作業でありつつも集中力を要する作業であるため、ミス率が20~30%にもなる倉庫もある。しかしShareSightを導入することで、ミスを直接防ぐことができる。

〇外国人労働者への活用
今後、製造や物流業界では、外国人労働者がますます増加すると考えられる。作業経験がなかったり、日本語能力に懸念があったりなどの外国人労働者に対して「音声通話機能」と「自動翻訳機能」を組み合わせることで口頭指示を行ったり、視界に画像や映像を映すことで直感的に指示を理解してもらうことができる。

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2. 人×ロボット ~ SC CAPION(エスシーキャピオン)~
ヒトの仕事はヒトで、ロボットの仕事はロボットで。ヒトとロボットの協業で製造物流現場の効率をさらにアップする。工場や倉庫内での搬送業務とその前後業務を、搬送ロボットを利用しながら運用するサービスだ。

上海のロボットメーカーKEENON Roboticsや、京都のロボットメーカーKeiganが開発した、小回りが効くロボットを提供しているため、狭い通路でも部品などを運ぶなど、さまざまな業務に導入することができる。

単純な搬送作業をロボットに任せることで、組立やピッキング業務などの人手が必要な作業に、人材を集中させることができる。
またロボットメーカーからの認定を受けた、メンテナンスサービスも提供している。

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3. 人×システム ~ヒトルク~
物流現場における人材不足、労務管理の工数負担など、現場の業務を遂行する上で大きな課題となる、「① 業務効率化、② 現場管理、③ 採用」を、ヒトのチカラとシステムで解決する。

具体的には、企業に代わって、派遣スタッフを大量に採用する。発注業務ごと請け負うため、複数の派遣会社とやり取りを行う場合の膨大な作業工程を省いてスタッフの採用を行うことができる。

派遣会社が250社以上登録しており、条件によっては、2週間程度で1拠点に最大1,000名以上の作業者を集めることもできる。また、複数の拠点の作業者の就業状況を一元管理できる

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「物流の2024年問題」は、物流のドライバー不足が問題となっているが、倉庫内の作業を効率化すれば、無駄な時間を解消することができる。
たとえば、倉庫に物が入ってきても、倉庫の人の作業が終わるまで、ドライバーは待機している。こうした状況は毎日発生しているので、待ち時間を減らすだけで、ドライバーの時間を有効活用できる。

サービス提供に際して、綜合キャリアオプションはクライアントとの契約形態に注目しているとのこと。大手企業の場合、非正規社員を多用することの制約、セキュリティ対策、投資家への報告(IR)対応など、特有の課題が存在する。一方、中小企業では、予算の制約から投資が難しい状況もあるため、「1時間あたりいくら」といった料金でのプランも提案している。

「BPOの切り出しは大事だと考えています。物流系に比べて、工場系の業務は入り組んでいます。また法整備や事務系はいろいろな書類があり、電話の情報を書類チームに渡したり、書類チームの情報をもとに問い合わせに答えたりと、かなり複雑です。こういった課題を解決するための業務設計ができる者が弊社には300人ほどいます。お客様の業務の切り出しも基本的には無償でやらせていただいております。可視化と線引きは、現場のDXの第一歩にもなります。」(神保氏)

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物流業界について語る、神保氏


同社は今後、HR業界以外の多業界との新ビジネス立ち上げを進め、2024年までに売上300億円に拡大する構えだ。人材を集めるだけなく、BPOや業務効率化のサービスまで対応できるのは、他社にない強みといえる。業務の切り出しは、無償で相談にのるとのこと。「物流の2024年問題」で頭を抱えている企業は一度、相談してみるとよいだろう。

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