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AI・ITスタートアップが最先端の技術やサービスを披露!Kindred Ventures主催 「AI Wave Tokyo」

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シリコンバレーに拠点を置くベンチャーキャピタルファームKindred Venturesは2024年6月19日(水)、渋谷区のTRUNK HOTELにて、シリコンバレーより来日した、Perplexity、Sony AI、Extropic、fal.ai、そして日本のAww、Stability AIを含む今注目のAI・ITスタートアップを招き、AIにおける課題解決に向けた最先端の技術、サービス、そして商品について紹介するイベント「AI Wave Tokyo」を開催した。

■AI・ITスタートアップと日本企業をつなぐイベント
本イベントは、アメリカのベンチャーキャピタルファームで、スタートアップへの投資を専門とするKindred Ventures主催で、AI・ITスタートアップと日本企業をつなぐ目的で初めて東京で開催された。

イベントは、Kindred Ventures創設者 Steve Jang氏の挨拶から始まった。同氏は「アーリースタートアップ、また今週日本市場に参入したスタートアップ、広く知られているスタートアップまで様々な企業の皆様にお越しいただいており、大変光栄です」と話した。

Kindred Ventures創設者 Steve Jang氏
Kindred Ventures創設者 Steve Jang氏


〇fal.ai
FAL.aiは機械学習モデルの実行とスケーリングのためのサーバーレスクラウドプラットフォームで、開発者はインフラを管理することなくAIアプリケーションの構築とデプロイを行うことができる。FALは最適化された推論エンジンを提供し、画像生成AIの一つであるStable Diffusionのような拡散モデルを従来の手法と比較して最大50%高速に実行することができる。これにより、インフラを活用したリアルタイムのパフォーマンスと新しいユーザー体験を実現している。

fal.ai共同創設者のBurkay Gur氏は、モデルの「創造性」に着目しており、fal.ai が構築したモデルは、クリエイティブな仕事をすることを得意としていると述べた。AIを活用することで質の高いコンテンツの制作が容易になるとし、日本はビジュアルコンテンツの面で他国よりもはるかに進んでおり、日本がこのテクノロジーで先陣を切ることに期待していると話した。

今、AIが相手にしているのは消費者でありスピードが求められる中、GPUの稼働率が重要であると説明し、fal.aiが有するモデルギャラリーは、最適化されたモデルから、通常、エンジニアが何時間もかけて作るモデルをアプリケーションに組み込むことができると紹介した。
fal.aiの顧客の例として、バーチャルコンパニオンのcharacter ai.やクリエイターツールのCaptions、そしてゲーム企業向けツールのLayerを挙げ、クリエイティブな仕事はAIによって変容しつつあり、fal.aiはその変容を促進していると話した。

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fal.ai共同創設者のBurkay Gur氏


Burkay Gur氏


〇Aww
Awwは、高度な3Dモデリング、アニメーション、AI技術を駆使して、リアルなバーチャル・ヒューマン(Vhumans)を制作・プロデュースする日本の企業です。バーチャル・キャラクターを通して、新しい文化的コンセプトを開発し、示唆に富むメッセージを共有。革新的な方法で現実とフィクションの境界線を曖昧にすることを目指している。

AwwのプロデューサーのSara Giusto氏は、2017年に誕生したバーチャルヒューマンの「imma」を紹介した。日常的にSNSで投稿したり、バーチャルヒューマンの弟「plusticboy」がいたり、自分のブランドをプロデュースしていたりと普通の女の子のようですが、実在しないオリジナルキャラクターであると説明した。

immaは、社会貢献活動にも従事し、Forbesの「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選出されたことや有名ブランドのキャンペーンにも起用されていると話した。Sara自身は、バーチャル・ヒューマン・テクノロジーは、人間の可能性を増幅させると心から感じていると話し、人類は仮想人類史の1ページ目にいると主張した。また、Kindred Venturesがラウンドをリードし、Awwは世界のバーチャルスターとそのコミュニティを発展させるプラットフォーム構築のため600万ドルの資金調達を実現したことを発表した。

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AwwのプロデューサーのSara Giusto氏


Sara Giusto氏


〇Perplexity、Kindred Ventures 対談
Perplexity AIは、最先端の自然言語処理と機械学習技術を駆使した、革新的なAI搭載検索エンジンとチャットボットを提供している。有料版においては、ChatGPT-4o(GPT-4o)はもちろんのこと、Claudeの最新モデルであるClaude-3も利用できる。会話型インターフェース、フォローアップ提案、ソース引用、テキスト生成や画像作成のようなマルチモーダル機能のための異なる言語モデルの切り替え機能を提供することで、従来の検索エンジンと一線を画している。

イベントでは、Kindred Ventures創設者 Steve Jang氏とPerplexityの創設者、共同創設者のAravind Srinivas氏が登壇。Perplexityは2022年8月に誕生、今週2024年6月17日(月)にソフトバンクとの協業を発表し、日本に参入したばかりの会社であると、Perplexityのこれまでの歩みを振り返りながら紹介した。

Perplexity AIは質問に対する回答を精度高く、最新の情報を瞬時に答えてくれる「サーチエンジン」ではなく「アンサーエンジン」であると説明した上で、「何か発見して決定を起こす際の一気通貫した環境を提供したいと思っています」と今後の展望を話した。

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Perplexityの創設者、共同創設者のAravind Srinivas氏


Aravind Srinivas氏
左がPerplexityの創設者、共同創設者のAravind Srinivas氏、右がKindred Ventures創設者 Steve Jang氏


〇Extropic
Extropicは、2022年にVerdonによって設立され、最近では熱力学コンピューティングを通じてAI機能を強化する革新的なアプローチを詳述するLitepaperを発表し注目を集めている。物理学と融合させることで、生成AIのための革新的なコンピューティング・ハードウェアを開発。物理学ファーストの観点から計算を再定義し、平衡状態外の熱力学を利用することで、物理学ベースのコンピューティングの新しいパラダイムを創造することを目指している。

Extropicの創設者、CEOのGuillaume Verdon氏は、AIコンピューティングの需要はあくなきもので増していく中、コンピューティングは確率論を表すには非効率で、世界を表現する能力には限界があると話した。GoogleでTensorFlow Quantumプロジェクトの開発を主導したことで、新しいハードウェアの必要性を感じたことから、熱力学コンピューティングを通じてAI機能を強化する革新的なアプローチとして物理学ベースのAIの最先端を走っていると説明した。そして、熱力学AIハードウェアを開発していると発表しました。2025年の早期に最初のプログラミングしたシリコンチップを検証する予定であるとし、この媒体の先駆者として物理学におけるAIを推進する仲間を探していると呼びかけた。

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Extropicの創設者、CEOのGuillaume Verdon氏


Guillaume Verdon氏


〇Stability AI
Stability AIの日本支社、創設者のJerry Chi氏は、クリエイティブなAIのアプリケーションに可能性を感じ、マルチモデルに基づきtext to image、image to videoなどエキサイティングなアプリケーションを多く活用していると話した。テキストモデル、音声モデル、画像モデル、動画モデルを様々な方法で組み合わせることでよりパワフルなAIモデルやシステムを生み出すことができると話し、自社が他企業と協力し、AIを活用した事例をいくつか紹介した。マーケティングプロモーション、商品デザイン、イーコマースでの活用など様々できるとし、日本でもテキストモダリティ中心からほかのモダリティの活用も増えていくことが見込めると話した。

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Stability AIの日本支社、創設者のJerry Chi氏


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〇Sony AI、Kindred Ventures 対談
Sony AIはソニーグループのAI技術の研究開発を専門とする企業。AI技術の進化と普及により、より多くの産業分野での革新を目指しています。エンターテインメントAI、クリエイティブAI、産業用AI、ヘルスケアAIを研究領域とし、特に、エンターテインメントとクリエイティブ分野における新しい体験の創出、産業プロセスの効率化、そして人々の生活の質の向上に貢献することを目指している。

Kindred Ventures創設者 Steve Jang氏とSony AIのCOOのMichael Spranger氏が登壇、どのような分野でAI技術を活用してきたか、また今後どのように発展していくかを話した。Michaelは、「エンターテインメント」に力を入れており、クリエイターセントリックでいたいとし、生成AIが影響を及ぼすことができる分野だと話し、クリエイターが表現できる場所を増やしていきたいと今後の展望を語った。Sonyにはグループシナジーがあるが、ローカル企業とどのように協力していくのかについても期待を寄せていると話した。

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左がSony AIのCOOのMichael Spranger、右がKindred Ventures創設者 Steve Jang氏


Sony AIのCOOのMichael Spranger氏
Sony AIのCOOのMichael Spranger氏


■Kindred Ventures(キンドレッドベンチャーズ)とは
Kindred Venturesは、シードステージのスタートアップ企業に投資するベンチャーキャピタルファームとして、2014年にサンフランシスコを拠点として創設された。特に初期段階の企業に焦点を当てており、起業家に対して資金提供だけでなく、戦略的なサポートやネットワークの提供を行っている。

創業者兼マネージングパートナーのJangは、2023年と2024年にForbesの「ミダス・リスト」で世界のテック系ベンチャーキャピタル投資家トップ50の1人として紹介された。これまでの投資先には、創業当初からアドバイザーやエンジェル投資家を務めたUber、ネスレが買収したブルーボトルコーヒー、コインベース(NASDAQ:COIN)、Poshmark(NASDAQ:POSH)、Postmates(Uberが買収)などがある。最近では、Color Health、dYdX、Forward、Humane、Magic Eden、Perplexity、Tonal、Whisper Aero、Zoraなど、コンシューマー・インターネット、AI、分散型システム、インフラ/ツール、フロンティア・テクノロジーをテーマとする新興企業に投資している。

投資家としてのキャリアを通じて、Jangは評価額10億ドル以上の企業を10社支援し、うち3社は現在上場企業となっている。起業家としては、Bitski、SoundTracking(Rhapsodyが買収)、imeem(MySpaceが買収)など、2000年代から2010年代にかけて、モバイル、メディアストリーミング、オンラインコミュニティ、開発者ツールなどの新興企業の共同創業者・創業メンバーを務め、起業家としてのこの時期に、友人のサイドプロジェクトやスタートアップに投資し始め、この取り組みから2014年にエンジェルファンドとしてKindred Venturesが誕生。
現在、Kindred Venturesは、投資先企業のリードインベスターとして、6億ドルのAUMを持つ初期段階のファンドに成長している。


今回の「AI Wave Tokyo」は、参加者にとって最先端のAI技術やAIサービスへの理解を深める良い機会となった。

Kindred Ventures LLC.

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野村SRIイノベーション・センター、新メンバー企業を発表!2022年に向けてメンバーシップ拡大を計画

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SRIインターナショナル(以下、SRI)と野村ホールディングス株式会社(以下、野村ホールディングス)は2021年12月17日、カリフォルニア州メンローパークのSRIメインキャンパス内の野村SRIイノベーション・センター(以下、NSIC)が、アサヒグループホールディングス株式会社の独立研究子会社であるアサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社、昭和電工株式会社をはじめとする複数の企業を新たにメンバー企業として迎えることを発表した。

■2022年にさらなるメンバー企業の募集を検討
新メンバー企業は、既にプログラムに参加している株式会社大林組、株式会社静岡銀行、株式会社野村総合研究所、株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ、株式会社村田製作所など、各産業を代表する創設メンバー企業に加わることになる。シリコンバレーは、オープンイノベーションにおいて重要な役割を担い続けることが期待され、徐々に様々なイベントや会合が再開されてきており、従前の勢いを取り戻しつつある。NSICでは、2022年にさらなるメンバー企業の募集を検討している。

NSICは、SRIと野村ホールディングスのパートナーシップを記念して、9月下旬にオープニング・セレモニーを開催し、シリコンバレー現地にて参加可能な参加者だけではなく、COVID−19による渡航制限の影響によって現地参加が困難な日本の参加者もリモートで参加した。基調講演では、NASAエイムズ研究センターのChief RoboticistであるTerry Fong氏と、SRI Venturesからのスピンアウト企業LeoLabs, Inc.のCEOであるDan Ceperley 氏が、宇宙および軌道追跡に関するディープテックの知見を紹介した。

野村ホールディングスのインベストメント・バンキング グローバル・ヘッドの後藤 匡洋は、
「メンバー企業をお迎えしオープニング・セレモニーを無事に開催できたことを嬉しく思います。SRIと連携し、メンバー企業の皆様とともにイノベーション追求の実践的な場をご提供できるように努めて参ります。当社は、引き続きクライアント企業の成長と企業価値の向上に資するサポートをしていきたいと考えています」
と述べている。

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■3日間集中のキックオフ・イベントを開催
セレモニーの翌週、NSICでは3日間集中のキックオフ・イベントが開催され、メンバーはプログラムの4つの主要トラック(テクノロジー、イノベーションプロセス、スタートアップ、シリコンバレー・イマージョン)に参加した。シリコンバレーエコシステムのオピニオンリーダーたちは、シリコンバレーのイノベーションに注目し、ビジネス、テクノロジー、システムのイノベーションのタイプを分類する双方向型のセッション等、様々な演習を通じてメンバーにその知見を共有し、また、SRIの主任研究員や外部の各分野のリーダーたちが、AI技術、ディープアダプティブセマンティックロジック(DASL)※、経験に基づくマインドセットの育成等、キーとなる見識を共有した。

さらに、日本企業がシリコンバレーでどのように成功を収めてきたかを紹介するゲストパネルセッションも開催された。
今後、メンバー企業にはNSICを通じて新しいコンテンツやツールについて探究し、新しいアイデアを実践で試すことを通じて得た学びを自社で活用していくことが期待される。
※ディープアダプティブセマンティックロジック(DASL):
https://dish-japan.sri.com/n/n357aa20db512

NSIC の所長である Chris Cowart(クリス・コワート)は、
「NSIC では、シリコンバレーのエコシステムを本格的かつ活気に満ちた形で体現して、長期的なパートナーシップの構築と強化を図りたいと考えています」
と述べている。

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なお、NSICのメンバーシップについての詳細は、野村SRIイノベーション・センターの公式サイトを参照のこと。

Photo Credit: SRI International

野村SRIイノベーション・センター

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2010年7月7日、シリコンバレーのプラグアンドプレイにて、七夕パーティが行われました。そのタイミングにあわせて米国ツアーが企画されました。今回の米国ツアーは、現地のスマートフォン事情はどうなのか、どうやってビジネスを展開しているのかなど、ノウハウ共有とネットワーキングが主な目的です。

レインボーアップスクールからは、2期生2名、3期生3名、5期生1名、プロアシスタント1名に加え、チューターの私を含めた8名が参加。さらにレインボーアップスクール戸は別に、アイフリーク社長 伊藤さん、サクセスネットワークス社長 北村さん、インタースペース社長 河端さん、フリープランナー 加賀谷さん、という素敵な顔ぶれも一緒の参加となりました。

さて、どんな珍道中が繰り広げられたのか、早速ご報告したしましょう。
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