マカフィーは、増加の一途をたどる組織的なサイバー犯罪や政治目的のハッキング活動に警鐘を鳴らすため、サイバー犯罪について考察したレポート「サイバー犯罪とハクティビズム」を発表した。

■金銭的利益が犯罪の動機に
グローバリゼーションは多くの恩恵をもたらしており、様々な企業や消費者がインターネットを利用して情報や金銭のやり取りを行っている。しかしその一方で、インターネットを利用した組織的かつ国際的なサイバー犯罪が増えており、これらの活動によって利益を得るものも少なくない。

現在多発しているインターネット上の犯罪では、ネットワークが直接攻撃されるだけでなく、被害を受けたネットワークが別の犯罪に利用される事例も出てきている。また最近では、サイバー犯罪者の多くが単独犯ではなく、犯罪グループに属したり新たなグループを作ったりする傾向もあり、組織的なサイバー犯罪の中にはマフィアが関わっているものもある。

多くの場合、金銭的利益が犯罪の動機となっており、インターネットで不正行為を働いて利益を上げることは、世界中の犯罪者や多くの犯罪組織などの間で広く行われている。その一方、最近の傾向として、特定の政治的信条やイデオロギーに基づいて行動を起こす者も増加している。

彼らは独自の理念に従って行動しており、彼らが「敵」と見なす組織や個人に対してインターネットを通じて違法な活動を行っている。そしてこれらの行動は、「サイバー犯罪」もしくは「ハクティビズム」と呼ばれ、今日、新たな脅威を生み出している

今回のレポートでは、金銭目的や政治的イデオロギーなどといった、インターネット上で犯罪行為を行う犯罪グループの動機について考察している

サイバー犯罪を行う動機としては、主に以下の内容があげられる
・金銭目的: サイバー犯罪が非常に利益の上がるビジネスになっていることは、世界中の犯罪者や多くの犯罪組織などの間で広がっている
・ゲーム感覚: 自らの技術を試したり、スリルを味わうためにサイバー犯罪を行ったりするハッカーがいる
・情報収集: 産業スパイにとってインターネットは理想的なプラットフォームです。産業スパイが目的を達成するために不正な行為を行っている
・イデオロギーの喧伝: 政治的な扇動の影響を受けている場合もありますが、敵と見なした組織に対して犯罪行為を行う愛国者がいる
・間違った判断: 間違った判断やよく分からない理由で不正行為を行ってしまうものもいる

レポートでは、サイバー犯罪組織がどのように形成され、どのような活動を行っているのかについても報告している。その他、犯罪グループの定義を行うとともに、注目すべき主な組織をいくつか紹介し、サイバー犯罪とハクティビズム、経済、政治、文化など、様々なテーマを取り上げ、テーマごとに報道された事例を明らかにしている。様々な事例を通じて、サイバー犯罪の対価や犯罪者が期待する投資収益についても取り上げている。

「サイバー犯罪とハクティビズム」
マカフィー

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