2022年2月14日(月)より開催していた、飾りたいと思う写真展『アートの競演 2022如月』のM84賞、Customer賞、フレームマン賞の受賞作品が決定した。
■M84賞、Customer賞、フレームマン賞の3賞を決定
飾りたいと思う写真展『アートの競演 2022如月』は、Art Gallery M84の第113回目の展示として実施した一般公募展。コロナ禍でもあり、感染防止対策を実施しながら開催した。入場料を設定しているにも関わらず、関心のある人々が来場し、2月26日に終了した。写真を芸術として創作した24点の作品を展示した中から3賞(M84賞、Customer賞、フレームマン賞)を決定した。来場者が気に入った作品が見つかり、購入に至らなくても会場にて作品へのメッセージを投稿、2月25日末時点の投稿数でCustomer賞を認定したが、応援メッセージは、作家の宝物となった様だ。
■まさに写真芸術の不思議な展示
一般公募展は同ギャラリー開設1周年を記念して開催した写真展「人それぞれ」(2014年7年21日~)から始まり、名称を写真展「アートの競演」に変更した後は、年2回の開催を実施。今回で16回目の開催となります。1800年代末期の欧州で、写真はその記録性のみが注目されて、芸術作品としての認識や評価はなされておりませんでした。日本の現写真分野において芸術作品の位置付けがどの様になっているのだろうかと考えるきっかけになればと思って開催しております。作品が如何にアートであるかを事前に頂きました。
作品をお部屋に飾りたい、又は収集して眺めたいと思う作品が見つかるかもしれないのが飾りたいと思う写真展『アートの競演 2022如月』です。部屋に飾りたいと思って作品を観るのと、単に作品を眺めるのでは違うのです。作品を飾ろうと決めたら、考えることや気づくことが沢山あります。ご来場のお客様から「 1丁目のFギャラリーから 3丁目のCギャラリーを経由してここに来たが、写真展ですよね。入った瞬間に、今まで見たことの無い全く違う世界を感じました。現代アート展かと思いました。どんなグループなんですか ? 単に写真の公募展だと知ると、更にびっくりされたご様子。作家から作品の説明を聞くと、その深さに驚き、今までの思っていた写真の概念が打ち砕かれたとのこと。素晴らしい。写真でこんなにも幅広く表現できるものなんですね。初めて知りました。」と言う方など、まさに写真芸術の不思議な展示でした。
Art Gallery M84オーナー 橋本正則
〇 M84賞
【作品】Title : COSMIC
Shooting : 2021、Printed : 2022、Edition : 1/10、Signature : Yes、Image Size : 236 x 420、Print Paper Size : 329 x 483㎜、 Media:CANSON Baryta Photographique、Print Method : Digital Pigment Print、Frame size : 457 x 559㎜
1)どんな点がアート(一番最初、又は ありふれていない)なのか?
今回の作品は、白波の造形を通して、大地や宇宙、そして私たちとの関わりに迫ろうとしたものです。波が陸と出会う事で生じる白波、その白波の模様は、極めて複雑で常に変化しています。そして、その波を生み出す力、特に海における波のようにダイナミックな動きは月の力なくしてはあり得ません。そこに風など様々な働きが加わっています。また、陸なくしては白波も生まれませんが、この不動に見える陸も移動し隆起や陥没を繰り返しています。そして隆起した陸は波に削られ様々な模様を描きます。そして、これらは極めてシンプルな法則に導かれています。大げさな言い方になりますが宇宙はシンプルな法則による秩序と調和の世界(COSMOS)であり、私たちもこれらの法則によって構成され活動しています。白波の造形を通して、大地や宇宙、そして私たちとの関わりに思いを馳せて迫っていきたいと思っています。
2)飾りたいと思って貰える点?
特定の主題を押し付けるのではなく、鑑賞者の中で自由に動き広がっていくような作品創りを心がけています。また、その動きや広がりはその時その時できっと異なるものになるでしょう。飾って頂く事で、鑑賞者と深い関係を築いて頂ければと思っています。
【選評】
波の写真は、沢山見掛けるが、船上又は立ち身の目線か半水面である。真上からの見たものは、非常に少なく、これほど神秘的なものは見たことが無い。大きな鳥が羽ばたいているような白波の造形が群を抜いて魅力的である。作品とマットの余白、そしてフレームの色合いがマッチした額装も良く、飾りたい作品である。
【作家】北尾 辰也(キタオ・タツヤ)氏
1964年 大阪出身
社会人2年目の夏、北海道への一人旅で、立ち寄った美瑛にて前田真三の写真に出逢ったことが切っ掛けで写真を始める。中判カメラを購入し独学で風景を撮り始めるが、数年後、諸事情により中断することになる。2008年頃から写真を再開、現在に至る。再開後は、有志によるグループ展や公募展を中心に活動を行う。身近な景気から大自然まで、心に留まったものや風景の中に身を置くことで生じる感覚を大切にしている。展示活動を通じてプリントした写真の魅力を認識。インクジェットプリンターを使いファインアート紙や和紙へのプリントを基本に制作している。
【受賞歴】
2016年07月 飾りたいと思う写真展『アートの競演 2016文月』G.I.P.Tokyo賞受賞
【展示歴】
2016年07月 写真展『アートの競演 2016文月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2017年01月 写真展『アートの競演 2017睦月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2017年07月 写真展『アートの競演 2017葉月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2018年01月 写真展『アートの競演 2018泰月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2018年01月 北尾 辰也写真展 個展『THE NORTH』cafe 星星峡(東京・府中)
2018年07月 写真展『アートの競演 2018観月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年01月 写真展『アートの競演 2019寒月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年07月 写真展『アートの競演 2019涼月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2020年01月 写真展『アートの競演 2020明春』Art Gallery M84(東京・銀座)
2020年08月 写真展『アートの競演 2020長月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2021年03月 写真展『アートの競演 2021風花』Art Gallery M84(東京・銀座)
2021年09月 個展『COSMIC EYE』Roonee 247 fine arts(東京・小伝馬町)
2021年09月 写真展『アートの競演 2021新涼』Art Gallery M84(東京・銀座)
2022年01月 谷 明、野田 光治、北尾 辰也『3人によるアート作品展』Art Gallery M84(東京・銀座)
〇Customer賞
【作品】Title : Expression(表現)
Photography year : 2021、Printed : 2022、Edition : Open、Signature : Yes、Image Size : 280 x 422㎜、Print Paper Size : 346 x 432㎜、Print Method : Gelatin Silver Digital Color Print、Mat・Frame Size:436 x 526㎜
1)どんな点がアート(一番最初、又は ありふれていない)なのか?
視覚的な面白さを持った抽象的な絵によって、情緒そのものを表現しようとしています。本シリーズ「Spice(スパイス)」は、一見関係ない唐辛子及び絵画道具のモチーフによって、スタイリッシュな静物写真だけに留まらず、「想像は自由だ」と世界が一層広がります。人生のスパイス「情緒」を写真の絵具「光と影、白と黒」でブレンドしてお届けいたします。
2)飾りたいと思って貰える点?
シンプルな構成、アクセントの赤及び作品全体を穏やかに整えるシルバーフレームからなる本シリーズの作品はデザイン性があり、元気を与えられ、飾っているお部屋をおしゃれな雰囲気にすることができると思います。抽象的なモチーフを使った構成は見る人のそのときの心境によって、思い巡らせます。
【選評】
斜めに二分割した白黒バックに筆とチリパウダー配したシンプルな構成ではあるが、とてもシンボリックで背景と逆転した黒白の筆とパウダーの散り方のムラがポイントで効いているアートな作品である。デザイン的であるが、精神面を揺さぶり、お部屋に飾りたくなるモダンな作品になっている。
【作家】ユアン(Yuan)氏
台湾出身
猫の魅力に惹かれたことが撮影のきっかけになった数学者。
猫やファインアート撮影など幅広く活躍中。
【受賞歴】
2018年05月 モスクワ国際写真賞「MIFA ペット部門」佳作受賞
2019年01月 飾りたいと思う写真展「アートの競演 2019寒月」M84賞受賞
2019年05月 モスクワ国際写真賞「MIFA ペット部門」佳作受賞
2019年11月 ロンドン芸術写真賞「FAPA 抽象部門」入選
2019年11月 アメリカ国際写真賞「IPA 芸術抽象部門」佳作受賞
2020年09月 パリ写真賞「PX3 ストリートフォト部門」佳作受賞
2020年11月 アメリカ国際写真賞「IPA 芸術静物部門」1位受賞
2020年12月 ブタぺスト国際写真賞「BIFA 芸術抽象部門 佳作受賞
2021年03月 飾りたいと思う写真展「アートの競演 2021風花」Customer賞受賞
2021年05月 モスクワ国際写真賞「MIFA 広告フード部門」金賞受賞
2021年09月 パリ写真賞「PX3 広告フード部門」金賞受賞
2021年12月 ブタぺスト国際写真賞「BIFA ポートフォーリオ広告部門」 金賞受賞
【展示歴】
2019年01月 写真展「アートの競演 2019寒月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年07月 写真展「アートの競演 2019涼月」Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年10月「80人のアマチュア写真家による平成最後の日、令和最初の日」
快晴堂フォトサロンギャラリー(東京・丸の内)
2020年07月 ニコンカレッジグループ展「船の上から飛行機&工場夜景スナップ」
富士フォトギャラリー(東京・銀座)
2021年03月 写真展「アートの競演 2021風花」Art Gallery M84(東京・銀座)
〇フレームマン賞
【作品】Title : One scene
Shooting : 2019、Printed : 2022、Edition : 1/10、Signature : Yes、Image Size : 180 x 270㎜、Print Paper Size : 210 x 297㎜、Media: PICTORICO Semi-Gloss paper、Print Method : Digital Pigment Print、Frame size : 330 x 420㎜
1)どんな点がアート(一番最初、又は ありふれていない)なのか?
私の作品は、絵を描くのと同じような感覚で「写真を描いて」います。また、静物写真を制作する人は少ないと思っています。
2)飾りたいと思って貰える点?
好きなものや気に入ったものを「飾りたい」と思う気持ちは、その人の自分らしさへの表現だと思います。私の作品は「自己主張が弱い」と言われることがありますが、それは見る人の心にそっと寄り添う「支え」のような存在でありたいからです。作品を眺めて、癒されたり和んだりしてもらえたら嬉しいです。
【選評】花の配置をかなり左側に寄せ、大きな間の取り方が作品をスッキリと見せていて落ち着く。ずっと眺めていたいと思う作品。額の色合いや形状が作品を引き立て、作品とマットと額のバランスが絶妙にマッチしている。額を含めた作品の完成度が高い。額屋さんの賞なのでそこも重視しました。強いて言えば、低反射アクリルを使用するとしっとり感が出てもっと良くなる。
【作家】宇津井 志穂(ウツイ・シホ)氏
1983年生まれ
高校卒業後、独学でカメラを始める。スタジオアシスタント、コンサルティング会社を経て独立。写真家小山敦也氏に師事。家族写真と人物撮影を中心に活動。
【受賞歴】
2018年11月 第16回JPA(一般社団法人 日本写真作家協会)公募展入選
2020年02月 第50回取手市民美術展(市展)優秀賞受賞
2020年06月 MIFA(Moscow International Foto Awards)国際賞入選
2020年09月 写真展『アートの競演 2020長月』フレームマン賞受賞
2021年05月 IPA(International Photography Awards)国際賞 入選
【展示歴】
2015年11月 個展『おはなざかりのお花たち』温々亭(茨城・取手)
2017年07月 写真展『アートの競演 2027葉月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2018年01月 写真展『アートの競演 2018泰月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2018年07月 写真展『アートの競演 2018観月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年01月 写真展『アートの競演 2019寒月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2019年07月 写真展『アートの競演 2019涼月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2020年01月 写真展『アートの競演 2020明春』Art Gallery M84(東京・銀座)
2020年09月 写真展『アートの競演 2020長月』Art Gallery M84(東京・銀座)
2020年10月『10th Discover the one Japanese art 2020』galerie JOSEPH(仏・パリ)
2021年02月 第25回日本の美術『全国選抜作家展』上野の森美術館(東京・上野)
2021年03月 写真展「アートの競演 2021風花」Art Gallery M84(東京・銀座)
2021年09月 写真展『アートの競演 2021新涼』Art Gallery M84(東京・銀座)
■飾りたいと思う写真展『アートの競演 2022如月』
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ハクバ
2020-02-15