半導体業界はボーダレスの業界であり、世界的にはそれぞれに企業が、それぞれの位置で比較優位を確立し、それぞれの役割を分担している。スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末などの最終製品は、米アップルや韓国サムスン電子が「勝ち組」となっている。だが、これらの製品製造で大きな役割を果たしているのは、鴻海(ホンハイ)、エイスース(華碩電脳)、エイサー(宏碁)といった台湾勢の受託製造メーカーである。

日本企業は、この国際水平分業化に乗り遅れ、垂直統合(自社一貫生産)にこだわったことで競争力を失ったとされる。現在、日本の半導体関連で強みを持っているのは、これらに電子部品(CPU=演算装置は除く)を供給したり、または製造装置を供給したりという役回りで、製造や最終製品での存在感はいちだんと薄くなっている。もっとも、個々の企業には世界的な競争力を持つものも多く、今回はこれらの銘柄にスポットを当ててみたい。


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