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科学技術振興機構

環境・震災復興・子ども・障害。あらゆる社会問題のソリューション開発推進を行うRISTEX

社会問題

国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター(RISTEX)は2021年2月1日(月)~2日(火)の2日間、研究開発プロジェクトメディア説明会を開催した。説明会では、数ある研究開発プロジェクトの中から5名の研究代表者が登壇し、「震災」や「環境問題」、「障害者支援」、「子ども」をテーマとしたそれぞれの研究開発についての発表があった。

■RISTEXは社会の問題の解決を目指す
RISTEXは国立研究開発法人科学技術振興機構の一組織であり、社会技術研究開発を推進している。
RISTEXでは社会の問題の解決を目指して、人文・社会科学や自然科学の研究者のみならず、実社会で問題を抱える関与者との協働による課題解決のアプローチを取組みの軸としてきた。

自然科学の知見や成果は重要だが、これを研究開発のアウトプットとするのではなく、自然科学の成果を如何に活用して実際の社会の課題解決に役立てていくのか、そのための新しい社会システムの構築を目指す。たとえば、社会制度や、それを動かすコミュニティーの在り方を提示すること、実際の社会に適用させるための条件抽出、研究成果を社会に実装していく担い手の育成や確保といったことだ。これらの研究開発を研究者だけでなく、自治体、企業、学校、NPO、市民等の関与者を巻き込んで行う、これが社会技術の研究開発である。

RISTEXの研究開発は対象とする分野やテーマごとに「領域」あるいは「プログラム」を設定し、それぞれの領域・プログラムごとに研究開発提案を募集し、選定したプロジェクトに研究委託する形式で研究開発を推進していくとしている。

■大阪湾の水産業衰退を改善する地域の取り組み、魚庭(なにわ)の海を再生したい
初日となる2月1日には、「漁業と魚食がもたらす魚庭(なにわ)の海の再生」と題し大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 大塚耕司教授による発表があった。
発表では、大阪湾の海=魚庭の海再生のため、漁場環境改善や鮮度保持実験による科学的な検証、および市民の大阪湾産魚介類への関心を高める取組み等を通じた、環境、経済、社会など各方面の効果を総合的に評価する持続可能性指標についての説明があった。

大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 大塚耕司教授
大阪府立大学大学院 人間社会システム科学研究科 大塚耕司教授

大塚教授は冒頭、大阪湾の環境について報告した。大阪湾は卵型をしており、栄養は陸から流れ込んでくるが、偏りが見られる。その結果、夏季における透明度が低く、底層溶存酸素(DO)が足りない領域(湾奥)もある。また窒素とリンで構成される栄養塩レベル(T-N, T-P)は近年、下がってきた。とくに南や西の地域では、栄養が足りない状況だ。
大塚教授は一例として、西鳥取漁港でのノリの養殖をとりあげた。栄養が足りない地域では、ノリが色落ちし、ノリの価値が下がってしまう問題がおきている。

もうひとつの問題として、後継者がいないことから、漁業者(漁業経営体数)が減っていることが挙げられる。これも非常に大きな社会問題となっている。日本全国、同じような悩みを抱えている。

そうした状況を踏まえ、2016年10 月~2020年3月の3.5年間、魚庭の海の再生するプロジェクトを実施した。

大塚教授が代表となり、
・生産・漁獲グループ
・流通グループ
・消費グループ
それぞれにリーダーをたててプロジェクトの方向性を指示し、情報を一元管理することにより海の再生、およびコミュニティーの再生を図る。さらに取組の検証として評価グループを設置し、フィードバックするかたちをとった。

プロジェクト実施体制

大塚教授は漁場を改善する一例として栄養骨材やタコツボを用いた実海域実験を紹介し、海の再生に効果があることを示した。流通については、デジタル・カタログ+サイバーマルシェ+新レシピによる新しいビジネスを展開し、消費者に直結させる試みをおこなった。
魚を注文する際に、科学的なデータや新レシピが入手できる点が、ほかの直販ビジネスと大きく異なる。

そのほかの取組みとして、環境教育がある。「イイダコ伝統漁体験」では、イイダコの仕掛けを子供たちに作ってもらい、その仕掛けを引き上げる作業のために船に乗り、最後はイイダコを試食するものだ。ほかにも「みんなでワカメを育てよう」「海のゆりかご再生活動」「海と陸のつながりを味わおう」「HANNANキッチン」などのイベントを実施することにより、子供たちの環境への理解を広めることを目的としている。

伝統漁体験イベント・環境教育

発表の最後には、環境面・経済面・社会面を統合した持続可能性指標を示した。
現在、地元で消費されているノルウエー産サーモンの10%を地元の魚に置き換えると、146トンの二酸化炭素(CO2)を削減することができる。これは飛行機で、関西国際空港とニューヨークを100往復するぐらいの二酸化炭素に相当する。このような評価の結果をもとに、地元の阪南市に政策提言もおこなった。

「全国アマモサミット2018 in 阪南」「G20大阪サミット2019」などの活動を紹介したのち、牡蠣小屋建設のクラウドファンディングを報告。コロナ禍を考慮し、HANNANキッチンをオンラインで実施することも紹介し、発表を終えた。

社会技術研究開発センター(RISTEX)

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図解でわかる 14歳からのプラスチックと環境問題
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科学の知識・技能を競え!「第3回科学の甲子園全国大会」の全出場校決定



JST(Japan Science and Technology Agency)こと独立行政法人科学技術振興機構(理事長:中村道治)は、全国の高校生が学校対抗で科学の知識・技能を競う「第3回科学の甲子園全国大会」を平成26年3月21日(金)から24日(月)まで兵庫県で開催する。このたび出場する全ての都道府県の代表校が決定した。

本大会は、科学好きの裾野を広げるとともにトップ層の一層の学力伸長を目的としている。各都道府県による選考を経て選抜された全国47校、総勢369名の優秀な高校生たちが栄冠を目指して、科学に関する知識とその活用能力を駆使してさまざまな科学的な課題に挑戦する。

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