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“副業確定申告”への備えか!?確定申告シーズンの会計ソフト検討が2年で1.8倍に急増

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見積もりプラットフォーム「ミツモア」を運営する株式会社ミツモアは、2025年の確定申告シーズンを前に、過去3年間の会計ソフト依頼データを分析した。その結果、副業の確定申告を目的に会計ソフトを検討する個人事業主が2年で約1.8倍に急増していることが分かった。一方で、その約4割が「税理士の代行サービスにも興味がある」と回答しており、「自分でやりたい、でも不安」という副業確定申告のリアルな姿が浮き彫りになった。

〇副業の確定申告、会計ソフトを検討する人が2年で約1.8倍に
確定申告シーズン(12月〜3月)に、副業の確定申告を目的として会計ソフトを検討する個人事業主の依頼数は、2022年度の360件から2024年度には641件へと、2年で約1.8倍に増加した。直近の2024年度も前年比37%増と成長が続いており、会計ソフトを検討する副業者が増えていることがうかがえる。

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〇副業確定申告を行う人の本業の割合を業界別に見ると、不動産業界が23.1%で最も高い。一方、建設・工事業界は2.3%、製造業は4.1%と業界ごとの差が明確に
会計ソフトを検討する人のうち、副業確定申告を目的とする人の割合を本業の業界別に見ると、不動産業界が23.1%で最も高く、次いでコンサルティング・士業(17.4%)、IT・インターネット(16.2%)と続いた。一方、建設・工事業界は2.3%、製造業は4.1%と低く、本業の業界によって副業のしやすさに差がある可能性が示唆された。

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〇会計ソフトを検討する副業確定申告者のうち、約4割は「税理士の代行サービスにも興味がある」と回答。"費用をかけても頼りたい”層が一定いることが明らかに
会計ソフトを検討している副業確定申告者のうち、38.2%が「税理士の代行サービスにも興味がある」と回答した。税理士に確定申告を依頼すると、売上300万円以下でも平均約9万円の費用がかかるが(※)、それでも約4割が「専門家にも頼りたい」と考えている。費用を払ってでも安心を得たいという心理がうかがえる。

売上規模別の料金相場

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※出典:【2025年最新】確定申告の税理士報酬 相場レポート|ミツモア相場研究所

〇約7割が紙・Excelで経理を管理、アナログからの脱却を模索か
会計ソフトを検討している副業確定申告者の現在の経理方法を見ると、「紙媒体での管理」が34.4%、「Excel・Googleスプレッドシート」が33.5%と、合計約7割がアナログな方法で経理を行っていることが分かった。一方、「外部に委託(税理士など)」はわずか3.5%にとどまり、ほとんどの人が自力で経理に取り組んでいる実態が明らかになった。

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〇経理を紙で管理している人ほど「税理士にも頼りたい」傾向
経理方法別に「税理士の代行サービスにも興味がある」と回答した割合を見ると、紙媒体で管理している人は41.1%、Excel・スプレッドシートで管理している人は32.8%と、約8ポイントの差があった。紙で管理している人ほど、デジタル化への不安も相まって、専門家に頼りたいと考える傾向がうかがえる。

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〇今後の展望
今回の調査では、会計ソフトを検討しながらも約4割が税理士への依頼も視野に入れているという実態が明らかになった。「自分でやりたいけど、サポートも欲しい」という副業者の本音が浮かび上がっている。

企業の副業容認率は64.3%、正社員の副業実施率も11.0%と過去最高を更新しており(※1)、政府も2027年度以降「希望者は原則として副業・兼業を行うことができる社会にする」という目標を掲げている。副業人口の拡大に伴い、「初めての確定申告」に直面する人は今後も増加することが予想される。

一方、税理士に依頼すると売上300万円以下でも平均約9万円の費用がかかる(※2)。少額の副業収入では費用が見合わず、かといって自力でやるには不安がある。そうした中、AIが確定申告をサポートする会計ソフトも登場しており、「自分でやりたいけど不安」という層を後押しする選択肢は広がりつつある。2025年の確定申告シーズンでは、こうした新しいツールを活用しながら確定申告に挑む副業者も増えてくるかもしれない。

※1 出典:「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表)|パーソル総合研究所
※2 出典:【2025年最新】確定申告の税理士報酬 相場レポート|ミツモア相場研究所

<調査概要>
調査期間:2022年12月〜2023年3月、2023年12月〜2024年3月、2024年12月〜2025年3月(各年度の確定申告シーズン)
調査対象:上記期間にミツモアで会計ソフトを検討した依頼(合計15,815件)
分析対象:上記のうち、個人事業主で「副業による雑所得等の確定申告」を目的とし、「確定申告書の作成」機能を求める依頼
調査方法:ミツモアの依頼データを集計・分析

出典元:https://meetsmore.com/product-services

ミツモア公式HP

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インボイスでどう変わる? 日本の消費税の将来像とは

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2023年11月22日に、「インボイス実施、デジタルインボイスを導入したあとの日本の消費税の将来像」と題したセミナーが開催された。セミナーにはMJS 税経システム研究所 税務システム研究会 客員研究員であり、青山学院大学大学院特任教授も務める 税理士 望月文夫氏が登壇し、解説した。

■インボイス導入のメリットとデメリットは
インボイスとは、英語で「請求書」や「送り状」を意味するが、日本では、消費税の軽減税率制度に関連した制度のことを指す。インボイス制度とは、正式には「適格請求書等保存方式」といい、2023年10月1日から施行された消費税の仕入税額控除の方式だ。

インボイス制度では、売手側である適格請求書発行事業者が、買手側である課税事業者に対して、正確な適用税率や消費税額などを記載した適格請求書(インボイス)を交付し、双方がインボイスを保存することで、消費税の仕入税額控除が適用される。インボイス制度の目的は、複数の消費税率が存在する中で、取引における正確な消費税額と消費税率を把握し、消費税の計算や納付を正しく行うことにある。

消費税が導入されたとき望月氏は国税庁で国際税務を担当していたそうだが、海外の人から「なぜインボイスを導入しないのか。入れなければ脱税やり放題じゃないか」と責められたという。当時の税務調査会でも入れた方がよいとされていたが、結局34年間インボイスなしで過ごしてきた。

「34年間インボイスなしでやってきた日本人はですね、インボイスがないのは当たり前という風に錯覚してしまっている。しかしインボイスは世界各国で実施されている。OECDの38の加盟国が1番問題視しているのが、税収の漏れだ」と望月氏。デジタルインボイスについても、紙のやり取りから電子メール送信、デジタルインボイス実施という流れで実施されている。なおインボイス発行事業者の登録申請件数は、令和5年9月15日の段階で約403万件となっている。

インボイス導入の長所と短所だが、課税取引に関する情報を示すこと、税務当局によるコントロールを可能とすること、買い手の仕入税額控除権の行使を可能とすることが長所となる反面、納税者の事務負担が多くなることが短所としてあげられる。そして今はデジタルの時代。インボイスについてもデジタルインボイスとすれば、適格請求書を電磁的記録で提供することが可能となる。デジタルインボイスを導入することについてはコスト削減がいちばんのメリットとなる。シンガポールでは45~92%、オーストラリアでは平均70%のコスト削減が見込めたという。なおデジタル化においては、EUで使われている「Peppol」をベースとして導入することが目指されている。

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MJS 税経システム研究所 税務システム研究会 客員研究員/税理士/青山学院大学大学院特任教授 望月文夫氏


■デジタルインボイスの採用と将来
望月氏は「関係者が日本はデジタル後進国であることを認識すべきだ」と語る。「いまこそインボイス制度の導入を契機として、できるだけ多くの課税事業者がデジタルインボイス採用すべきだ」とも。「デジタルインボイスを採用したら次のステップとして商取引全体のデジタル化に向かう。そして各社で新のデジタルトランスフォーメーションが達成できたとき、国際競争力の高い企業となっていく」(望月氏)。

加えて今では電子帳簿保存法(電帳法)が実施され、帳簿や書類の電子取引が義務付けられた。デジタルインボイスについても電帳法と連携することで、会計税務業務のデジタル化によるコストダウンが見込まれる。また行政機関としても、受発注から請求、決済に至る全ての商取引についてデジタル化してほしいと考えている。「中小企業でこれができれば、日本復活のきっかけになるかもしれない」(望月氏)。

「日本では感情的に消費税について議論しているところがある」と望月氏は語る。「将来は20%になるはず。これを阻止するべきだ」と。しかし消費税率の引き上げが全て悪なのではなく、本来どのような消費税制にすべきかを幅広く議論すべきだ。

「インボイスの廃止は国際的な視点では意味はない。諸外国ではデジタルインボイスを導入することで、生産性の向上を実現している。デジタル庁によるPeppol導入を早め、電帳法の改正を含めることも、効率化の面から重要になるだろう」と望月氏は語った。

インボイス導入を契機にデジタルインボイスの導入を見据え、さらなる生産性の向上を目指すことが必要になっていくだろう。
テクニカルライター 今藤 弘一


株式会社ミロク情報サービス
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世界一わかりやすい! インボイス
永井 圭介
高橋書店
2023-02-12

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