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「塚田農場」が新たな展開をスタートさせた。3 月 22 日に「塚田農場」では初の旗艦店となる「焼鳥つかだ」を東京・中目黒にオープンしたのだ。同店舗では「みやざき地頭鶏(じとっこ)」を郷土料理の「炭火焼」として使うのではなく、じとっこが持つ濃く上質な脂の甘味と旨味をシンプルに味わえる焼鳥として提供するという。

■飲食業界のアルマーニを目指せ!
「塚田農場」といえば、地鶏料理を売りにした居酒屋として知られる。筆者の地元にも2店舗あり、地元の友人たちとの飲み会で利用したり、会社帰りに一杯ひっかけたりと、何かとお世話になっている。その「塚田農場」が今、経営の危機に瀕しているというのだ。行きつけの店がなくなるかもしれないというのは筆者(主に筆者の胃袋)にとっても大問題である。

塚田農場を展開する株式会社Ap company(エー・ピーカンパニー)代表取締役社長米山久氏は『塚田はバラしたほうがいいと(クリエイティブディレクターの)佐藤可士和さんからの提案があった。具体的にはチェーンストア理論の“ひとつのブランドで固める”より、アパレルで言うとアルマーニのような、ひとつのブランドの中でもいろいろなことをやったほうがいいとアドバイスしてもらった。それは私どももやりたいことだと思った。いろいろやりたいことの第1章が「塚田農場」だ。そして第2章が「つかだ」ということで第1号店「焼鳥つかだ」からスタートして、今後はいろいろな「つかだ」を展開して行きたい』と旗艦店オープンの理由とその意気込みを語った。

2018年2月13日に発表した報告書によれば、2018年4~12月期(第3四半期)決算は売上高194億円(前年同期比22.3%増)、営業利益は2.6億円(同58.0%減)。会社としての利益は出ているものの、地鶏ブームの終焉により客足が遠のいているという。このまま赤字に陥る前に新展開を狙うという思い切った舵取りが吉と出るのか気になるところだ。

同社は塚田農場以外にも鮮魚「四十八漁場」やホルモン「(卸)芝浦食肉」、「鴨Na camo gro」など、さまざまな飲食店を展開してきた。ところがコーポレート全体のブランド戦略はあまり考えず、それぞれがバラバラの状態での展開だったという。ブランドは多かったが連携してない状態であった。

そこで、以前から親交があったことから、前述した日本を代表するクリエイティブディレクター佐藤可士和氏に協力を仰ぐこととなり、その結果の「焼鳥つかだ」オープンというわけだ。

「焼鳥つかだ」の戦略について語る、株式会社エー・ピーカンパニー 代表取締役社長米山久氏


■上質な食材×職人=おいしい理由
佐藤氏が外食に携わるのは、今回が初めてのことだという。同氏によると仕事で海外へ行くと、日本食が非常に注目されていることがはっきりわかるという。世界が注目する日本食の中でつかだをどう位置づけるのかを考えたという。

『東京は世界の中でも食のレベルが高く、非常に成熟している。金太郎飴のようなチェーンストアはそろそろ通用しなくなっていると時代的な変化を感じていたときに、この話をいただいた。アパレルのアルマーニのように同じ「つかだ」でも自由度が持てるブランド戦略をやっていく方が今の時代に合っているのではないかと、ここ2年間ぐらいにいろいろな話をして、ようやく今回、第一弾が形になった』(佐藤氏)。

今回のターゲットは大きなマスではなく、もう少し上のポジション「レアマス」であり、飲食業界の「ちょい贅沢」でマーケットの拡大を狙う。新店舗では「少し特別」「オリジナリティがある」という形を見せつつ、裏では「塚田農場」の安心感をお客さんに持ってもらいたいという狙いとのこと。

キーワードは「上質な食材×職人=おいしい理由」だという。塚田農場の強みは、顧客と生産者を直接つなぐ製販直結モデルである。無駄な流通や物流をカットすることで、上質な食材を手ごろな価格で客に提供してきたことが最大の個性であり強みでもあった。上質な食材を職人さんが調理することで、おいしい料理をお客さんに提供できるというわけだ。

「焼鳥つかだ」全体をプロデュースした、クリエイティブディレクター佐藤可士和氏


■「本物」が味わえる旗艦店「焼鳥つかだ」
「焼鳥つかだ」では、「上質な食材×職人=おいしい理由」を意識して、素材の良さを前面に押し立てた店づくりをしたという。まずは外観だが、地鶏のイラストは佐藤可士和氏が描いたもので、世界中でただ1点しかない。店内にも1点しかないものが多く、たとえば有田焼の皿も佐藤可士和氏がひとつひとつ絵付けをしたものだという。

「焼鳥つかだ」の外観


『塚田がやってきている食づくりを、そのまま空間に表現したい。そういうコンセプトで作っている。もうひとつ、お店の表現として「つ」をいろいろなところで使っていきたいと考えている』(佐藤氏)。

店内は落ち着いた雰囲気で、杉の良さをそのまま活かしたかたちだ。カウンターの上には旧店舗「塚田農場」の古い梁をあえてインテリアとして残している。

店の奥には小上がりがあり、その置くには個室が用意されている。壁際には上着を入れる収納があり、杉板の引き戸で上着が隠れるようになっている。どこまでもこだわり抜いた店内だ。まさに“少し特別”を肌で実感できる店舗であると感じた。

「焼鳥つかだ」の店内


試食会では、焼鳥の職人さんがひとつひとつ丁寧に焼き上げた料理を味わった。どれも素材の持ち味を活かしたもので美味しかったが、絶品だったのが「ふりそで」だ。鶏一羽で一串しかできない希少部位でトロける旨味の脂が噛めば噛むほど滴り落ちる。来店された際は、ぜひご賞味あれ!

鶏一羽で一串しかできない希少部位「ふりそで」は絶品!


「地鶏」は日本で食べられる鶏の1%しかいないという。濃く上質な脂の甘味と、うま味が味わえる「焼鳥つかだ」を皮切りに、2号店は「炉端つかだ」も「つかだ」の旗艦店としてこちらも中目黒にオープンさせる予定だ。

「つかだ」ブランド戦略で今、「塚田農場」は新たな転換点に来ている。再起を掛けたブランド戦略は吉と出るか凶と出るか。今しばらくは目が離せそうにない。それと余談ながら、とりあえず近所の塚田農場がもしも「つかだ」に変わったとしても、逆にそれを喜べることがわかって胸をなでおろしたことも付け加えておく。

「焼鳥つかだ」

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上北農産加工農業協同組合