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若狭真司

音楽クリエイター/アーティスト 若狭真司氏が語る!Sony Park Mini、サウンドインスタレーション「よあけのおと」

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Sony Park Mini(ソニーパークミニ)では、現在6月30日(日)まで、作曲家/アーティストの若狭真司氏による、漆黒の夜更けから薄明の朝に移りゆく“夜明け”の世界観を表現したサウンドインスタレーション「よあけのおと」を開催中だ。どのような想いで作品を創ったのか? 会場にて、同氏にお話しをうかがった。

■みんなで楽しく創った
編集部:簡単に自己紹介をお願いします。
若狭氏:若狭真司と申します。アーティストワークとしては、アンビエントミュージックと呼ばれているジャンル、あるいはそれに近い音像音楽と、それを用いたインスタレーション、自分の楽曲を配信したり、レコードとか、そういうメディアにして、レーベルとかを通して発表したりしている活動をしています。もう一方で、ファッションショーやCM、映画の作曲。音楽を制作することを仕事として行っていて、この二軸の音楽活動をしています。

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編集部:今回のイベントのお話しは、どのような経緯であったのでしょうか?
若狭氏:私は昨年、「薄明(はくめい)」というサウンドインスタレーションを発表したのですが、それをご覧になったSony Park Miniの方にお声がけいただいたかたちです。

編集部:企画が持ち上がってから作品に至るまで、どれぐらいの期間が掛かりましたか?
若狭氏:だいたい半年ぐらいのスパンです。

編集部:アンビエントミュージックというのをわかりやすく教えていただけませんか?
若狭氏:けっこう昔からあるもので、直訳すると、「環境ミュージック」になります。ブライアン・イーノ(Brian Eno)という人が、人生のあるポイントで環境の音を聴くことにフォーカスして創りだした音楽のジャンルです。「Music For Airports」という有名なアルバムがあるんですけど、そのあたりからアンビエントミュージックという言葉が定着しました。比較的新しいでジャンルですが、要は、環境に馴染む音、その環境を楽しめる音楽という定義があるようです。

そういう意味では、自分はアンビエントミュージックを作っているという意識はあまりないです。「音の質感」や「聴いてもらうために創る音像」が、たまたまアンビエントミュージックとの親和性が高く、ほかの人にわかりやすいので、アンビエントミュージックと言っています。

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サウンドインスタレーション「よあけのおと」


編集部:今回、「よあけのおと」ということですが、作品を創る点で、苦労したことは何でしょうか?
若狭氏:作品を創るうえでは、何の苦労もなくて、本当にスルっと創れた感じです。朝一で、おばあちゃんが米を研ぐような感覚で創ったんですけど、それがよかったのかもしれないですけど、「できない!」ということは何もなかったです。

編集部:音と光で不思議な空間を演出していますが、スピーカーやライトは、どのようにセッティングしましたか?
若狭氏:セッティングについては、ソニーPCLの方たちと一緒に創り上げたというイメージです。音楽家は2ミックスと言って、L(左)R(右)で音楽を聴くつもりで創っています。こういう空間で創る場合、音源を パラデータにして出すのですが、自分の頭の中でイメージした音を、実際の空間で鳴らすと、音が消えてしまったり、音がこもったり、そういうことが往々にしていつもあるんですけど、今回もそれがありました。その辺のフィックスをソニーPCLの方たちが一緒に考えてくれたので、苦労というよりは、みんなで楽しく創った感じです。

室内に関しては、最初に空間の図面を提示してくれて、その図面のもとになったのが、「薄明」の照明の雰囲気でした。「よあけのおと」のスケッチは、「薄明」とほぼ同じものをトレースして持ってきました。

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「よあけのおと」のスケッチ


編集部:音作りに関して、詳しく教えてください。
若狭氏:私は、いわゆるDAW(Digital Audio Workstation)という、パソコンを使って作っています。今回は、手で弾いて創ることに意識しました。クオンタイズを使うと、拍に揃えられますが、それをやってないです。本当に生弾きでやったものとか、スタジオでピアノからとった音とか、いわゆる機械的にクオンタイズすることはしてないんです。グルーヴィー(groovy)な音ではないんだけれども、何となく人間っぽい感じが出ています。普段、仕事で音楽を創るとなると、リファレンスやコード進行に合わせて創っています。今回は、そういうことを一切せずに、たとえば、朝弾いた一音がいいものであれば、それを自分にリフレクトさせながら拡張させていく、凄い有機的な作業をしています。そういう意識とか、核で創ったものとなります。

編集部:本日は、ありがとうございました。

<「よあけのおと」開催概要>
名称:よあけのおと
日程:2024年6月15日(土)~30日(日) 11:00~19:00(予定)
場所:Sony Park Mini(東京都中央区銀座5丁目3番1号地先 西銀座駐車場地下1階)
WEB:https://www.sonypark.com/Mini-program/list/053/ #よあけのおと
※ 展示スペース内のベンチの使用に関して
展示スペース内のベンチには、ソニーの床型ハプティクス(触覚提示技術)「Active Slate」が使われており、座面が振動する。安全上の理由により、義足・歩行補助具・車いす等の利用が必要な方や妊娠中の方などは、振動のないイスもしくは指定のスペースにて体験できる。6歳以下の子どもは、18歳以上の保護者と手をつないだ状態で体験可能。ハプティクスの体験注意事項、利用制限の詳細に関しては公式WEBページを確認のこと。
https://www.sonypark.com/Mini-program/list/053/

音楽クリエイター/アーティスト 若狭真司氏が語る!Sony Park Mini、サウンドインスタレーション「よあけのおと」への想い

YouTube:https://youtu.be/XkQd0FAX4pg

「よあけのおと」開催情報

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10坪の実験的POP-UPスペース Sony Park Mini(ソニーパークミニ)では、作曲家/アーティストの若狭真司氏による、漆黒の夜更けから薄明の朝に移りゆく“夜明け”の世界観を表現したサウンドインスタレーション「よあけのおと」を2024年6月15日(土)より開催中だ。期間は30日(日)まで。

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Sony Park Mini、若狭真司氏によるサウンドインスタレーション「よあけのおと」を体験
10坪の実験的POP-UPスペース Sony Park Mini(ソニーパークミニ)では、作曲家/アーティストの若狭真司氏による、漆黒の夜更けから薄明の朝に移りゆく“夜明け”の世界観を表現したサウンドインスタレーション「よあけのおと」を2024年6月15日(土)より開催中だ。期間は30日(日)まで。



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Sony Park Mini、若狭真司氏によるサウンドインスタレーション「よあけのおと」を体験

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10坪の実験的POP-UPスペース Sony Park Mini(ソニーパークミニ)では、作曲家/アーティストの若狭真司氏による、漆黒の夜更けから薄明の朝に移りゆく“夜明け”の世界観を表現したサウンドインスタレーション「よあけのおと」を2024年6月15日(土)より開催中だ。期間は30日(日)まで。

■ “夜明け”をテーマとしたサウンドインスタレーションで

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―しんしんと夜が更けていき、宇宙のような深い夜を抜け、空が目覚めて、朝が生まれる。

本プログラムは、 “夜明け”をテーマとしたサウンドインスタレーションだ。若狭真司氏の最新アルバム”DAWN”の構成楽曲を用いて、今回のプログラムのために再構築された、情緒と繊細さが融合する音像に、移りゆく光と振動を掛け合わせ、若狭が生み出す夜明けの世界観を、聴覚だけでなく視覚と触覚からも体感できる。

世界観に没入するための空間として、Sony Park Miniならではの「環境音楽(アンビエントミュージック)を、展示された音楽作品として鑑賞するための最適な環境」をアーティストと共に作り上げました。12台のスピーカーとベンチの座面に設置されたソニーの「Active Slate」(※)によって、立体的な音や音のグラデーションに合わせた振動を体験できる。鑑賞者を包み込む音響に加え、空間を染める照明デザインが漆黒の夜更けから薄明の朝に移りゆく様相を光で演出。ここでしか体験できない”夜明け”を感じることができる。

実際に体験してみたが、環境音楽とともに日常とは異なる空間を味わうことができた。照明による演出も秀逸なので、興味を持った人は、この機会にぜひ、体験しよう。

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若狭真司氏によるサウンドインスタレーション「よあけのおと」


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Sony Park Miniの外観


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地下鉄銀座駅 コンコース


静けさと抑制を意識しながら、響き/テクスチュアに根差した
音と音楽の強度を信条としたクリエイションを手掛ける
作曲家/アーティストの若狭真司。
今回のプログラムでは、彼の新しい音楽作品である”DAWN”の
構成楽曲を用いたサウンドインスタレーションをインストールします。
銀座の地下空間から広がる、音のグラデーションをぜひお楽しみください。
──────────────────────────────────
私にとって夜明けは、日没と同じく曖昧な光を放ちながら、
見える・聴こえる世界の輪郭をぼやかす、
この世とあの世、生と死が入り混じる薄明の時間帯として特別な感情を想起させる。
ただし日没と違い、夜明けは常に、ある種の希望と高揚感を引き連れてくる。
我々人間の生活サイクルや時間尺度においては、
日没が死ならば夜明けは誕生とも言い得る時間帯にあたり、
徐々に活動的に変転していく風景と共に、
いつでも未来を予感させる光で私を優しく包み込みながら立ち現れる。

また夜明けは光のみでなく、独特の音世界を持っている。
それは夜の終わり、起床した鳥たちが快活に囀り始める直前の、
その直後に訪れるカタストロフを強烈に予感させる、
ある種の痙攣にも似た緊張を伴った一瞬の静寂の最大値である。
その聴こえない音ならぬ音は、無音よりも静かな大音響を、
私の鼓膜の内側に鳴らしながら立ち現れる。

若狭真司

※多彩な振動フィードバックを実現するソニーの床型ハプティクス(触覚提示技術)「Active Slate」を使用。ソニーPCLが体験デザインと技術協力を行っている。
https://www.sonypcl.jp/solution/haptics.html

<「よあけのおと」開催概要>
名称:よあけのおと
日程:2024年6月15日(土)~30日(日) 11:00~19:00(予定)
場所:Sony Park Mini(東京都中央区銀座5丁目3番1号地先 西銀座駐車場地下1階)
WEB:https://www.sonypark.com/mini-program/list/053/ #よあけのおと
※ 展示スペース内のベンチの使用に関して
展示スペース内のベンチには、ソニーの床型ハプティクス(触覚提示技術)「Active Slate」が使われており、座面が振動する。安全上の理由により、義足・歩行補助具・車いす等の利用が必要な方や妊娠中の方などは、振動のないイスもしくは指定のスペースにて体験できる。6歳以下の子どもは、18歳以上の保護者と手をつないだ状態で体験可能。ハプティクスの体験注意事項、利用制限の詳細に関しては公式WEBページを確認のこと。
https://www.sonypark.com/mini-program/list/053/

<プロフィール>

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Photo by KO-TA SHOUJI


若狭真司(わかさしんじ)
音楽クリエイター/アーティスト。
CM・映画音楽、ファッションショーやアートエキシビションへの作品提供や制作を行う。自身のアーティストワークにおいては静けさと抑制を意識しながら、響き/テクスチュアに根差した音と音楽の強度を信条とし、これまでにArchives(Spain),Inner Ocean Record(Canada),Fluid Audio label(UK)等多数の海外レーベルから作品をリリースする。近年はテーマである薄明、死と、音楽の物質性、その触れ得なさへ、場を用いたアプローチを試みている。2024年6月7日に“夜明け”をテーマにした最新アルバム「DAWN」をLP、カセットテープ、ストリーミングサービスよりリリース予定。
Instagram  https://www.instagram.com/shinji_wakasa_works/
MUSIC  https://linktr.ee/shinjiwakasa
WEB  https://www.hitsujisound.com/

「よあけのおと」開催情報

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関口哲司

日本大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。理学博士。日本物理学会会員。データサイエンティスト協会会員。IT系記事を中心に著書多数。原稿の依頼歓迎。

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