フィデリティ証券株式会社は、「ロボ+ヒト」のハイブリッド・ロボアドバイザーによる新しい資産運用サービス「ザ・ハイブリッド」の提供を開始した。新サービスの開始にあたり、2021年7月6日(火)にオンラインにてプレス向け発表会を開催した。
当日は、フィデリティ証券株式会社 執行役員個人金融サービス本部長 久保田 誉氏より「ザ・ハイブリッド」導入の背景や特徴について、グローバル・デジタル・ウェルス室長 野水 瑛介氏より「ザ・ハイブリッド」のサービス説明を行った。
また、日米の個人金融ビジネスに詳しい明治大学国際日本学部 沼田優子特任教授も登壇、「米国における
ワンオペ問題」について解説したほか、個人向け資産運用アドバイスサービスの日米比較等に関する質問にも答えた。
■投資の第一歩をお手伝いしたい
発表会は、主催者を代表して、フィデリティ投信および、フィデリティ証券社長 デレック・ヤング氏がビデオ出演で挨拶を行った。
デレック・ヤング氏は「目標を達成するためのアドバイスやツール、投資の選択肢も大切だが、投資においては、投資家自身が最初の一歩を踏み出すための時間、能力、モチベーションをもっているかが重要」とし、「フィデリティが世界各国で人々が『投資家になる』ことをサポートしてきた経験をベースに、目標に合わせた投資プランのガイダンスを提供する専門性の高いアドバイザーを提供する」と述べた。そして、「フィデリティが投資の第一歩をできるだけ簡単に踏み出せるようにお手伝いしたい」と、今回のサービスを日本で展開するに至った思いを語った。
■「資産運用のワンオペ問題」を解決
続いて、フィデリティ証券 執行役員 個人金融サービス本部長 久保田 誉氏が登壇した。
久保田氏は「資産運用に関する意識調査を実施したところ、自信をもって資産運用を始めようにも、独学で知識をどのように習得すればわからない、身近な人にも相談できないという現状があることが分かった。これは『資産運用のワンオペ問題』と言えるのではないか」とし、資産運用がワンオペになることにより、自信を持って資産運用に取り組めない投資家が多いといった問題について調査結果を元に指摘した。
そして、「資産運用のワンオペ問題」を解決するためのサポートとして新サービス「ザ・ハイブリッド」を紹介。「ロボとヒト」の融合により個人投資家をサポートする体制が「ザ・ハイブリッド」の良さ。フィデリティの知見、経験、運用能力を集約した世界基準のサービスだと自負している」と力強くコメントした。
「ザ・ハイブリッド」が導入された背景に続き、フィデリティ証券 グローバル・デジタル・ウェルス室長 野水 瑛介氏が「ザ・ハイブリッド」の2つのコース(アドバイス担当者付コース、ネット完結コース)それぞれの内容、サービス提供の仕組みやアドバイス担当者付きコースのライフプラン相談の様子について、動画を用いながら説明した。
「アドバイス担当者付きコース」では、経験豊富なアドバイス担当者が、資産運用開始前のライフプラン相談から、運用開始後3ヵ月に1回ライフステージに応じたプランの再設計など、資産形成に関するアドバイスを長期にわたって行う。
■「米国におけるワンオペ問題」とは?
最後に明治大学 沼田特任教授が登壇。沼田特任教授は「米国におけるワンオペ問題」について「米国でも、資産運用のアドバイスに関しては、対面によるフルアドバイスの有無の二者択一を個人は迫られていた。結果として『資産運用のワンオペ問題』が社会的な課題となっていたが、アドバイスの多様化が進み、簡易版対面アドバイスが発展していった。」と、米国でも日本と同じような問題が存在したことを説明した。
最後に、「米国にならい、アドバイスを多様化することで『資産運用のワンオペ問題』を解消することができると考えている。そして、投資家の裾野が広がっていくことを期待する」とコメントした。
■フィデリティだからこそ実現できる世界基準の運用体制
沼田特任教授と久保田 誉氏によるトークセッションでは、久保田氏から「日本で資産運用のワンオペ問題を解決するにあたって、アドバイザーをビジネスとして根付かせていくためにどのようなことが必要になるか」と質問。沼田特任教授からは「米国では、イノベーターのおかげでワンオペ問題に対する制度が整った。つまり、フィデリティのようなイノベーターが必要だ」とし、続いて「正しい資産運用の仕方のプロモーターであり続けて欲しい。米国でアドバイスが受け入れられやすいのは、投資教育をしてきた結果だと考えており、日本でも投資教育を行っていただきたい」とフィデリティ証券への期待を話した。
また、「ザ・ハイブリッド」に関連して、沼田特任教授から「フィデリティの知見、経験、運用能力に関する注目ポイント」について質問があり、久保田氏から「1つ目は経験豊富なポートフォリオ・マネージャーによる最適な資産配分、2つ目は、彼ら(ポートフォリオ・マネージャー)の目利き力。そして3つ目は資産運用会社の銘柄選別。これら3つの強みは、フィデリティだからこそ実現できる世界基準の運用体制だと自負している」と語った。
過去20年で、資産運用に積極的な米英の家計金融資産は2倍以上に増えたが、この間預貯金中心の日本では個人の金融資産の伸びは約14倍にとどまっている。老後資金2000万円問題以降、投資を行う日本人は増える傾向にあるが、米英との差は大きいのが現状だ。
資産運用の先進国ともいえる欧米では資産規模に応じてさまざまなサービスが提供されており、運用資産が少なくても始められるロボアドと、プライベートバンクのような富裕層向けサービスとの間を埋めるものとして、ロボアドにヒトのアドバイスを組み合わせた「ハイブリッド型」の新しい運用サービスに注目が集まっている。
フィデリティ証券が新たに提供する「ザ・ハイブリッド」は、こうした海外のモデルや潮流を踏まえた、世界基準の新しい資産運用サービスだ。自信をもてないまま資産運用をしていたり、資産運用の必要性を感じながらも一人で取り組む不安資産運用でのワンオペ問題を抱えていたりする人に、人生100年時代でも安心できる「生涯型」資産運用サービスを提供するとしている。
■フィデリティ証券
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook
■ITビジネスに関連した記事を読む
・地方自治体との防災EVの取り組みを紹介!小型電気商用車「ELEMO」メディアラウンドテーブル
・高さ2.8mの造形に成功!エス.ラボ、超大型3Dプリンタ
・キャリアビジョンのヒントが散りばめられた1日!PE-BANKプロエンジニアフォーラム2021
・ガジェットを混ざらずまとめる!入り口4つのガジェットケース
・ノートPCの充電器に何を求める?Anker、コロナ禍における仕事環境の改善ニーズに関する調査