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左から AGRIST 株式会社、FOODBOX 株式会社、オリエンタル白石株式会社、株式会社マクニカ、株式会社タカミヤ、ヤンマーグリーンシステム株式会社、 株式会社サラ、株式会社ベルグリーンワイズ、株式会社 Kukulcan、ネタフィムジャパン株式会社

株式会社タカミヤは、農業界の課題解決に向けた先端技術の研究開発と展示を行う総合農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」のオープニングセレモニーを2024年10月17日(木)に実施した。同パークは総面積が39,936平方メートルに及ぶ大規模施設で、農業界が抱える問題解決に向けた、最新のDX技術、AIなどを駆使した革新的なソリューションが体験できる。

■農業版シリコンバレーを目指したい
イベントは、株式会社タカミヤ 代表取締役副社長 髙宮 章好氏の挨拶から始まった。
日本の農業界は「汚い・キツイ・かっこ悪い」といった、3Kと呼ばれるネガティブなイメージが持たれており、農業に新規で従事する人材が減少傾向にある。また農業従事者の高齢化も進んでおり、慢性的な人材不足が課題となっている。加えて、後継者への教育もままならない状況も続いている。こうした状況を踏まえ、同社は「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」(以下、TAP)を設立した。この施設は、新技術の開発、人材育成、ダイバーシティ推進など、農業に関するあらゆる情報や機会を提供する「総合農業パーク」を目指している。

具体的には、パートナー企業との新技術開発、農業予備校としての「トレーニングファーム」の運営、パラリンピック選手などへの就業機会の提供などを行います。これらの取り組みを通じて、農業への参入ハードルを下げ、「かっこいい・感動・稼げる」という新しい農業イメージを創出し、日本の農業界の変革と発展に貢献することを目指している。

今回、TAPの「日本の農業を強くしていきたい」という思いに賛同した企業と共にセレモニーを開催した。パートナー企業としてヤンマーグリーンシステム社、マクニカ社、AGRIST社、Kukulcan社が参画している。その他5社のパートナー企業とも日本の農業を切り開いていく事業を進め、今後発表していく予定だ。農業に関わるすべての方と共創できる、受け皿となる場所を提供していくとしている。

髙宮氏は「気候変動による災害や農業人口の高齢化などを受け、疲弊する農業界の課題を解決するためにタカミヤはアグリ事業に参入。タカミヤだけでなく様々な企業が手を取り合い、農業界の課題解決に向けての研究開発を行うための施設として「TAP」を設立しました。将来的には、農業界に存在する課題を解決するためのサービス・製品を研究・開発する多様な企業が集結し、“農業版シリコンバレー”と呼ばれるような最先端の研究施設となることを目指しています。「TAP」に参画した企業の皆様と手を取り合って、農業界全体を盛り上げていきたいと考えています。」と語った。

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株式会社タカミヤ 代表取締役副社長 髙宮 章好氏


■業分野における新たなソリューションを生み出したい
引き続き、来賓を代表して、ヤンマーグリーンシステム株式会社 代表取締役社長 中井 健二氏から挨拶があった。
近年、国内の食生活の多様化や食料生産人口の減少など、農業を取り巻く環境が厳しさを増しています。特に都市部においては、人口増加に伴い都市農業や太陽光を利用した大規模ハウスのニーズが高まっており、これに対応するための新たな農業技術が求められている。同社は長年にわたる農業設備のノウハウを活かし、タカミヤが運営するTAPにて、持続可能な農業の実現を目指した協業を行う。具体的には、同社の栽培設備とタカミヤの農業用ハウスを組み合わせることで、農業分野における新たなソリューションを生み出す構えだ。

中井氏は「日本の農業界が直面する高齢化、後継者不足、気候変動による災害など、食料供給の安定を脅かす課題に危機感を覚えたことが、「TAP」に参画したきっかけです。農業界の課題解決には、既存の農業従事者と新規参入者が安心して生産活動に取り組める環境を整えることが重要だと考えています。将来的には、「TAP」に参画した企業様とも連携し新たな技術やアイデアの創出を通じて、様々な課題の解決に繋げていきたいと考えています。」と語った。

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ヤンマーグリーンシステム株式会社 代表取締役社長 中井 健二氏


■世界に向けて今日からスタートしたい
株式会社タカミヤ 上席執行役員 経営戦略本部 アグリ事業部長 岡本 裕之氏から
岡本氏は「世界に向けて今日からスタートしたい」と述べた後、4つの事業を語った。

ラボ事業(研究・開発)
パートナー企業と共に新しい新しい農業技術や製品の開発を実施する。

スクール事業(トレーニングファーム)
農業を学びたい人を対象に「栽培・収穫・販売」までを一気通貫で学べる場所を提供する。

福祉事業(ダイバーシティマネジメント)
農業と福祉の連携や新しい形の雇用の創出、雇用機会の提供を目指す。

栽培事業(農場経営)
「稼げる農業」およびロスをなくした「環境配慮型・持続可能な農業」を実現する

岡本氏は「「TAP」という名称は、「次代の農業にタップする」「世界の農業にタップする」という意味合いで名づけました。日本の農業界トップの企業が集結し、そのノウハウを世界に向けて発信する場として、「TAP」を「世界に漕ぎ出す一隻の船」のように見立てて、成長させていきたいと考えています。農業を通じて誰もが輝き、幸せになれる環境を提供していきます。」と語った。

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株式会社タカミヤ 上席執行役員 経営戦略本部 アグリ事業部長 岡本裕之氏


■最先端の農業技術を紹介!施設内の見学ツアー
オープンニグセレモニー終了後、施設内覧会が実施された。

〇コンテナ型の植物工場「わさび栽培モジュール」
オープンニグセレモニーの会場には、コンテナ型の植物工場である「わさび栽培モジュール」が設置されていた。本モジュールは、株式会社マクニカのフード・アグリテックのひとつで、株式会社NEXTAGEによって開発された。わさびは、澄んだ水があり、年間を通して冷涼である地域でしか栽培できないが、本モジュールであれば、どこでも栽培が可能だ。

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「わさび栽培モジュール」


〇土壌の代わりにサンゴ砂礫を用いる「サンゴ砂礫栽培ミニトマト」
サンゴ砂礫栽培ミニトマトは、土壌の代わりにサンゴ砂礫を用いる。水のpHをアルカリ性に保ち、害虫や病原菌の発生率を抑えられる。また水の管理も容易であり、高糖度で収穫量も期待できる。

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「サンゴ砂礫栽培ミニトマト」


〇自動収穫ロボット導入を導入した「きゅうり栽培」
AGRIST株式会社の自動収穫ロボットが導入されており、収量をあげるための栽培方法や、良質な作物を育てるための栽培システムの実証栽培を行っている。きゅうりのほか、ミニトマトやいちごなども収穫できる。

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自動収穫ロボット導入を導入した「きゅうり栽培」


【動画】
株式会社タカミヤ 上席執行役員 岡本裕之氏が語る!総合農業パーク「TAKAMIYA AGRIBUSINESS PARK」への想い

YouTube:https://youtu.be/r2Rv3n_p7d4

株式会社タカミヤ

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