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エプソン販売株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴村文徳)は、CSR関連、SDGs関連、オフィスの環境改善関連、経営企画、オフィス機器調達などの実務、意思決定者の会社員(従業員500人以上)、公務員を対象に「ビジネスパーソンの職場における環境問題意識・実態調査」をインターネット上で実施した。

その結果、環境意識は高まっているが、職場の約7割が紙の削減に対して、具体的な取り組みには至っていないということが判明したという。まずは調査結果について見て行こう。

調査結果から導き出されたポイントは、以下となっている。

1)5割以上の職場で環境配慮への関心が以前より高まっている
2)職場における環境配慮の最大の目的は「コスト削減」と考えている
3)光熱(空調、照明)への取り組みは進む一方、約7割が紙の削減への具体的な取り組みに至っていない
4)既存の商習慣・業務プロセスがペーパーレス化を阻んでいる
5)印刷枚数制限により業務効率が低下してしまっている


上記のそれぞれについてさらに掘り下げて見て行こう。

■5割以上の職場で環境配慮への関心が以前より高まっている
今回の調査では、5割以上の職場で環境への配慮、環境への関心が以前より高まっていることが判明した。調査では56.8%が「高まっている/やや高まっている」と回答しており、職場おける環境配慮への関心、そして各企業や自治体における環境に配慮した取り組みの重要性がますます高まってきていることが見て取れる。

グラフ01

■職場における環境配慮の最大の目的は「コスト削減」と考えている
職場の環境配慮への取り組みの目的は、「コスト削減(経費節減)をするため(68.4%)」というのが最も多く、対外的な企業価値の向上を目的とするより、コスト削減といった企業の経営に影響を与える取り組みだと認識されていることが推測できる。

グラフ02

■光熱への取り組みは進む一方、約7割が紙の削減への具体的な取り組みに至っていない
地球の温暖化対策などを話し合う国際会議「COP25」が開催されるなど世界的にも企業の環境に配慮した取り組みがますます重要視されるようになってきている中、空調の温度調整による省電力化(49.8%)や照明の輝度調整による省電力化(46.0%)などの環境配慮の取り組みは一定レベルにまで進んできていることが判明している。これに対して「印刷済裏紙への印刷利用(31.8%)」、「コピーやプリントの印刷枚数制限による削減(30.4%)」など、紙の削減に対する取り組みは約3割にとどまっている。

グラフ03

また職場での、1年間のコピー用紙の購入枚数と購入費用それぞれについて質問したとろ、把握していない(わからない)」が9割以上(購入枚数/91.4%、購入費用/92.3%)と回答。この結果から紙への意識が、他の取り組みと比べて圧倒的に低いことが分かった。

グラフ04

■既存の商習慣・業務プロセスがペーパーレス化を阻んでいる
多くの職場が紙の削減(業務で使用する紙の削減)に取り組めていない理由として、およそ半数が「今までの習慣や業務プロセスを変えるのが難しい(48.8%)」ためだと回答。また、「電子データよりも紙で読むほうが読みやすい(30.8%)」、「紙での保管を社内規則で定めているものが多い(24.4%)」といった、現在の業務における紙使用の必要性を裏付ける回答が半数を占めた。こうした結果から、日本における既存の商習慣・業務プロセスは、紙の削減に取り組みづらい環境であると考えることができる。

グラフ05

また、紙削減のための代表的な取り組みのひとつである「コピーやプリントの印刷枚数制限による削減」によって業務効率が下がることがあるかという質問には、半数以上の53.7%が「効率が下がることがよくある(14.5%)」、「効率が下がることがたまにある(39.2%)」と回答。ビジネスパーソンにとって紙の使用を制限することは、業務効率に大きく関わる重要な問題なわけだ。無理やりにでも紙を削減しようとすれば、大きな反動が来ることは容易に想像できる。

グラフ06

■調査概要
実施主体:エプソン販売株式会社(東京都新宿区)
調査案件名:ビジネスパーソンの職場における環境問題意識・実態調査
調査対象:会社員(従業員500人以上)、公務員、CSR関連、SDGs 関連、オフィスの環境改善関連、経営企画、オフィス機器調達などの実務、意思決定者
調査期間:2019年10月31日~11月1日
調査方法:インターネット調査

回答属性


■現状の商習慣・業務プロセスを変えずに紙の削減に取り組む必要がある
日本において今後、職場における紙の削減といった環境配慮への取り組みを浸透させるためには、既存の商習慣・業務プロセスをむやみに変えず、業務効率およびコストを下げる取り組みを実現していく必要があると考えられる。

紙を減らすために既存の商習慣・業務プロセスを大きく変更することで業務効率が悪化してしまうのであれば、それは悪手であり、であるならば紙の削減などしないほうが良いことは言うまでもない。

それでは、どのような取り組みを行ったらよいのだろうか。そこでSDGsなどルールや意識の変化に対する企業やビジネスの在り方について支援や発信を行っている羽生田慶介氏(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)にこの調査結果を見てもらい、そこから考える、今後企業が環境に配慮した取り組みを行う際の指針についてコメントをもらったので紹介しよう。

羽生田慶介氏コメント:
今回の調査結果は、日本の企業経営が変わりつつある「過渡期」としての姿を映し出しています。日本のESG投資(財務情報だけでなく、環境・社会・ガバナンス要素も考慮した投資)の割合はこの数年で急拡大し、2016年の3.4%から2018年では18.3%まで伸長しました(GSIA“2018 Global Sustainable Investment Review”より)。それでもまだ欧州の48.8%には大きく及びません。

2019年に日本の企業と投資家が気づいたことは「環境配慮やSDGs貢献が、短期的な利益にも直結しなければならない」ということです。ESG投資のさらなる拡大に向けたステップは、企業の環境配慮や人権対応が収益性につながり、それが株価に反映され、さらなる投資を呼び込むという順です。欧州ではこの好循環が実現できているのです。

企業はいま、当期利益に直結するESGアクションを模索しています。この好例が、消費する資源の削減によるコストダウンでしょう。典型はオフィスの“紙”削減です。

この取り組みを加速するための次の一手は、経営からのメッセージの変化です。「コスト削減と業務効率化を両立せよ」ではオフィスの現場を板挟みにするだけかもしれません。「環境対応を最優先する」、「(商習慣を変えずとも)すぐに着手できることから取り組む」とする経営方針こそが、効率的なコスト削減につながり、なにより正しい社内外へのメッセージとなることでしょう。


羽生田慶介氏(デロイト トーマツ コンサルティング合同会社)
略歴:経済産業省通商政策局にて国際交渉を担当。多摩大学大学院ルール形成戦略研究所副所長・客員教授。経済産業省「Society5.0 標準化推進委員会」委員、JETRO「SDGs 研究会」委員。一般社団法人エシカル協会特別顧問。

■エプソンが取り組む「環境配慮型オフィスプロジェクト」
これまで紹介したように日本では、紙に強く依存した商習慣や業務プロセスが主流となっている。この背景には、紙には、情報を記録して、伝えるだけではなく、「視認性や一覧性が高くて理解しやすい」、「記憶に残りやすい」、さらには「メールにくらべて公式、正式なイメージを持つ」などの「紙」ならではの良さがあることが挙げられる。

こうした中、エプソンは、オフィスにおける環境配慮への取り組みとして、使用済みの紙から水をほとんど使わず、新たな紙を再生できる乾式オフィス製紙機「PaperLab」と、低消費電力を特長とし、環境性能に強みを持つ高速ラインインクジェット複合機/プリンターを組み合わせた「環境配慮型オフィスプロジェクト」に取り組んでいる。

同プロジェクトではまず第1フェーズとして、エプソンの新宿オフィス内に「環境配慮型オフィスセンター」を設置し、オフィス内での紙の再生と、低消費電力で使用できるアップサイクルを2019年7月1日より本格稼働させている。この取り組みにより、エプソンの新宿オフィス用として購入するコピー用紙を今後1年で年間約30%(約130万枚)削減することを目指す。なお、2019年10月までに「PaperLab」で生産した紙の枚数は、実に42万4,168枚にも上り、紙資源の循環及び、コストダウンにつなげることに成功している。今後も業務プロセスを変えることなく、業務の効率も落とさず同活動を進めている最中とのことだ。

なお今回の調査において、この「環境配慮型オフィス」に対して5割以上のビジネスパーソンが「非常に興味・関心がある/やや興味・関心がある」と回答。

また、同調査内にて職場で発生する機密文書の処理金額を把握している方125名に、年間の処理金額を聞いたところ、年間平均で494.44万円もの費用がかかっていることが明らかになった。機密文書処理と紙の再生を同時に実現できる、乾式オフィス製紙機「PaperLab」は、こういったコスト的課題の解決策としても期待されている。
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エプソンの環境配慮型オフィスプロジェクト
EPSON

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